今月30日に、昨年7月に引き続いて米海兵隊輸送機オスプレイ12機が米軍岩国基地に陸揚げされ、陸揚げ1週間程度後に沖縄県の普天間基地に配備されることになります。沖縄県民がオスプレイの追加配備に反対をしている状況の中では、岩国基地への陸揚げは、心が痛みます。

 本日(28日)は、このオスプレイの追加配備に抗議するための「市民大集会」が開催されます。岩国基地周辺で基地問題に苦しむ方々、基地問題に取り組む方々等が中心となって開催される集会です。市民の皆さんに幅広く参加を呼び掛けていますが、これまでの私の経験から言えば、政治色や政党色が出てくることは止むを得ないでしょう。

 基地を抱える住民(私も、基地のある町で生まれ育ちました。)の心境は複雑です。「戦争は絶対に嫌だ」「戦争に加担する(或いは、巻き込まれる)基地はない方が良い」「基地負担は全国で分担すべきだ」「でも、仕事も生活も、基地がなくなると困る」「基地関係ででも、もっと仕事が欲しい」等々複雑な心境を持っています。

今の政府・自民党は、しきりに東アジア地域の緊張関係を強調し、それを基に、軍事面での対応強化のみを主張しています。行うべき外交努力も不十分、示されるべき情報も一方的。危険性が指摘されるオスプレイの配備が必要な理由も、説得力がありません。これでは、安全保障や基地問題に関し、国民が正しい認識を持ち、正しい判断を下すことは困難です。

そんな中で、基地周辺住民が単純に「オスプレイ配備反対」と声高に叫べない事情を理解してほしいと思います。真に、東アジア地域の平和と安定を希求する政治家達は、目指すべき安全保障の態勢と、基地を抱える地域の将来・その周辺住民の生活と、その両面にわたって、具体的かつ魅力的な提案を行うことが期待されていると思います。

 以下に、本日の「大集会」に私が差し上げたメッセージをご紹介します。

「オスプレイの追加配備に抗議する7・28市民大集会」へのメッセージ

前衆議院議員 平岡秀夫

在日米軍は、これまで幾度となく危険性が指摘されてきた輸送機オスプレイを、沖縄県民の反対の声を無視して、更に12機追加配備しようとしています。沖縄県民の皆さんの気持ちを考えると、この岩国が昨年に引き続いてオスプレイの陸揚げに利用されることを残念に、かつ、申し訳なく思います。

オスプレイの配備は、沖縄県民だけの問題ではありません。本土を含めて低空飛行訓練を行っているオスプレイが更に12機増えて倍増となることは、国民や地域住民の不安をより大きなものにしています。沖縄に配備されたオスプレイは、毎月、キャンプ富士と岩国基地に派遣され、全国6ルートあるいは7ルートで低空飛行訓練が行われるのです。全国の住民が、オスプレイの騒音と危険性に脅威を感じているのです。

オスプレイ運行の国内チェック体制も不十分です。米国では、オスプレイ飛行訓練については国家環境政策法によってチェックされているにもかかわらず、我が国では、我が国政府が制度上何らのチェックも行うこともできません。また、日米合同委員会でのオスプレイ運行に関する合意事項も、「できる限り」とか「原則として」とか、曖昧な内容になっているうえに、既に合意事項が守られていない事例が市民から数多く報告されています。

オスプレイについて、これらの問題を残したままで、また、国民や地域住民が不安を抱えたままで、今回、新たに12機、既に配備された分を含めて合計24機が我が国に配備されようとしています。このことは到底許されるものではありません。関係する地方自治体とその住民、そして国民の皆さんとともに闘って参りましょう。

(了)