正念場の年

一昨年、民主党を中心とする政権に政権交代しました。この政権交代は、多くの国民の皆さんの期待を受けてのものでしたが、残念ながら、鳩山由紀夫政権はわずか9カ月で終わってしまいました。鳩山政権を引き継いだ菅直人政権も、鳩山政権を引き継いだ菅総理は、昨年9月、改造内閣発足の際の記者会見において「具体的な事柄を実行していく『有言実行内閣』を目指す。」と意気込みを力強く語りました。私も、菅政府の一員(総務副大臣)として同じ使命感を持って、菅政権として初の本格論戦の舞台となる秋の臨時国会に臨みました。当初は高い支持率を得ていましたが、野党が参院で多数を占めるいわゆる「ねじれ国会」の下、与野党の対立は強まり、審議は停滞、64日間の会期における新規と継続を合わせた政府提出法案の成立率は40%を切り、政治主導確立法案、郵政改革法案、労働者派遣法改正案などの重要法案も成立には至りませんでした。国会審議停滞の一因に尖閣諸島沖中国漁船衝突事件の発生に加え、閣僚による失言等があったことなど困難な問題に度々直面する中で「菅総理のリーダーシップが見えない」等の批判を受けて苦境に陥っているように見えます。     


しかしながら、報道で大きく取り上げられていることの裏では、政治主導で改革に向けての努力が着実に行われていることも事実です。この努力が実を結んでくれば、菅政権や菅総理に対する評価も高まってくると思います。正に、今年こそが、菅政権の正念場の年と言えそうです。



雇用が一番

私は、今の日本にとって最も重要な課題は、雇用であり、そして経済の安定的成長であると考えております。臨時国会においても、急激な円高、厳しい雇用情勢を考えると単に金額の大小ではなく中長期の持続的経済成長に繋がる中身を伴った補正予算が求められました。編成作業は、私が国家戦略室長(内閣府副大臣)としてとりまとめを行った「新成長戦略」に基づき行われました。その結果、①雇用・人材育成、②アジア経済戦略の推進、③子育て、医療・介護・福祉等の強化、④地域活性化、社会資本整備、中小企業対策の4分野を柱とする総額約5兆円の補正予算を成立させることができました。

9月の予備費使用による経済対策を第1ステップとすると、補正予算の成立は第2ステップに位置づけられるものであります。通常国会においては、第3ステップである平成23年度予算の審議が行われます。雇用の増大と安定的経済成長のためには、このような切れ目ない経済対策が重要です。今回の臨時国会において、「ばらまき型」ではない補正予算を政治主導で編成・成立させることができたことは国民生活にとって大変重要な成果であったと思います。