平岡秀夫のブログ「至誠通天」-日韓フォーラム1 平岡秀夫のブログ「至誠通天」-日韓議員会議1

 昨日から今日にかけて、韓国の超党派の国会議員4名(民主党のイ・ミギョン議員とパク・ウンス議員、民主労働党のクォン・ヨンギル議員、進歩新党のチョ・スンス議員)が、核軍縮関係の行事に参加するために来日しました。その行事は、昨日はNPO法人ピース・デポのシンポジウム「日韓国会議員と語る北東アジア非核兵器地帯への道」、今日はPNND(核軍縮・核不拡散議員連盟)日本とPNND韓国が共催した「核問題に関する日韓議員会議」です。

 今回、4名の韓国国会議員が来日した経緯は、昨年11月28日付の「今日の一言・韓国での会議報告」でお伝えしたように、同月23日に私を含め我が国の国会議員・NGOの人達が、韓国国会内で開催された「朝鮮半島の非核化と北東アジア非核地帯のための日韓国際会議」に出席したことに端を発しています。その会議で、私は、の私の意見発表の最後に、次のような提案をし、韓国側も前向きに検討することを約束してくれました。

 すなわち、「5年に一度のNPT(核不拡散条約)再検討会議が来年5月に開催される前に、来年の2月末から3月にかけて、韓国側が日本に訪問をしてもらって、北東アジア非核地帯化を中心に核軍縮問題を協議してはどうでしょうか。そのときには、PNND日本に所属する国会議員を中心に超党派での日本の国会議員も多く参加できると思います。」と提案したのです。その提案が実って、今回の韓国国会議員の訪日に繋がったのです。

 二日間の行事には、日本側からも、PNND日本に加入している超党派の国会議員が参加しました。昨日のシンポジウムには、民主党の犬塚参議院議員と私、公明党の遠藤衆議院議員、共産党の井上参議院議員が参加し、本日の議員会議には、民主党の上記2人の他、近藤(昭)、生方、首藤、石毛の各衆議院議員と大河原参議院議員、「みんなの党」の柿沢衆議院議員が参加しました。自民党のPNND加入議員もいるのですが、今回は残念ながら出席者はありませんでした。

 両行事共に、参加した日韓の国会議員、日韓のNPO・NGOの方々から積極的な意見が出され、シンポジウムでは、一般の方々からも、色々な意見や質問が出されました。残念ながら、それらの全部をご紹介することはできませんが、以下に、本日の日韓国会議員の会議で取りまとめた「共同声明」をご紹介したいと思います。昨年11月の韓国での会議で提案したように、本年5月のNPT再検討会議に向けての行動方針も示されています。
 

北東アジアの非核化のための日韓国会議員の共同声明


 世界は今、核問題をめぐって重大な岐路に立たされている。北東アジア地域においては朝鮮半島の非核化と平和体制の構築をめざした6者協議の再開に向けた努力が生まれている。一方、昨年4月のプラハでのオバマ大統領の演説や200810月の国連本部での潘基文国連事務総長の演説で示されたリーダーシップのもと、「核のない世界」への努力が世界的な支持を得ている。


 核保有国と非核保有国との核をめぐる対立が続く北東アジアの非核化は、「核のない世界」の実現にむけたグローバルな努力のテストケースである。北東アジアの歴史を振り返れば、核兵器の惨禍を経験した唯一の地域であるにもかかわらず、核抑止に依存する安全保障を選択してきたという逆説的な状況が現在も続いている。


 核抑止力による安全保障は、北東アジアに真の平和をもたらさず、むしろ終わりのない不信と対立の軍備競争による安全保障上の不安を永続化させる。日韓の国会議員は、冷戦の遺産を清算し、相互信頼に基づく北東アジアの平和を構築するため、以下の点に合意した。


1.日本、韓国、北朝鮮が核兵器を保有することを禁じ、日本、韓国、北朝鮮に対する核兵器の使用、威嚇を禁じることなどを内容とする「北東アジアの非核化」に向けた日韓の連帯と協力の重要性を認識する。実現に向けては、日韓両政府、国会議員、自治体、平和を希求するすべての市民とNGOの努力が求められる。


2.日韓両政府に対し、北朝鮮との積極対話を通じて関係正常化を促進させ、北朝鮮の6者協議への復帰と関係各国による復帰のための信頼できる措置を通じて北朝鮮核問題の解決に取り組むよう促す。


3.日韓両国は、韓国人・朝鮮人被爆者、被爆二世などを含めた原爆被害者のための治療と補償を約束し支援するとともに、これに必要な具体的制度を設けることとし、併せて、原爆によってもたらされた悲劇を半面教師として核兵器廃絶の必要性を広く知らせ、歴史から得られた教訓に基づく教育を行うべきである。


4.北東アジア非核化の実現には、北東アジア非核兵器地帯構想が有効な提案であると認識する。この提案について、日韓両政府をはじめ、地域の関係国が十分に協議するよう求める。また、国際的な支持獲得に向けたさまざまな主体による努力の継続を希望する。特に、日韓両政府に対し、本年5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議において、北東アジア非核兵器地帯の創設を主張することを要請する。


5.日韓国会議員は、上記のオバマ大統領演説と潘基文国連事務総長演説で示された「核のない世界」への努力が北東アジアの非核化の実現に向けた好機を生み出したと認識し、これに全面的な支持を表明する。そして、NPT再検討会議をはじめとして、今後ともさまざまな機会を通じて、北東アジアの非核化実現のために協力を継続する。


2010228

PNND韓国およびPNND日本による「核問題に関する日韓議員会議」

賛同者

韓国国会議員:

イ・ミギョン、クォン・ヨンギル、チョ・スンス、パク・ウンス

日本国会議員 

近藤 昭一、平岡 秀夫、生方 幸夫、犬塚 直史、首藤 信彦、大河原 雅子、柿澤 未途