本日、第174回通常国会が召集されました。鳩山内閣にとって最初の通常国会であり、鳩山内閣で初めて編成した予算についての審議が行われる国会でもあります。雇用状況が悪化し、景気も二番底が心配される中で、平成21年度第二次補正予算について早期の成立が不可欠であり、平成22年度当初予算について今年度内成立が望まれていますが、「政治とカネ」の問題で、今国会は波乱の幕開けとなりました。

 今国会は、今年7月に参議院議員選挙が予定されているため、いつもの国会と比べると少ない61本の内閣提出法案しか予定されていませんが、マニフェストで約束した政策を実現するための重要な法案が多くあります。特に、マニフェストでも約束した「政治家主導の政治」を実現するために副大臣・大臣政務官クラスの政治家を15名増加させる等の法案は、年度内に「体制の整備」を図るものとしてできる限り早期の法案審議が必要です。

 このように、国会での政策論争が早期に開始されることが望まれているところですが、今国会でそれを難しくしてしまったのが、鳩山総理と民主党・小沢幹事長を巡る「政治とカネ」の問題です。2人に関する「政治とカネ」の問題として国民が抱いている疑問は、主に2つだと思います。その一つは、鳩山総理がご母堂から贈与を受けていたお金の使途であり、もう一つは、小沢幹事長の土地購入代金4億円のお金の出所です。

 実は、これらの2つの疑問点は、仮に事実関係が解明されても法律的に「違法である」とは限らない問題です。しかしながら、違法な可能性があるかもしれないし、政治的責任を問われるかもしれない問題であるならば、公人たる者は、当然に、その問題について国民に説明をする責任は負っています。鳩山総理は当初から説明責任を果たしていこうとする姿勢を見せていたと思いますし、小沢幹事長もここに来てその姿勢を示し始めたと思います。

 特に、小沢幹事長のケースでは、マスコミは、よく「民主党内で辞任を求める声が出ないのはおかしい」とか、「小沢幹事長に対する批判が出ないのは党内の締付けが強いからだ」とか批判めいたことを言っていますが、その批判は、「政局」を求めて行われているような気もします。と言うのは、小沢幹事長自身が、あれほど真剣に自らの潔白を主張しているときに、党内の仲間が真実を知らずに責任あることはなかなか言えないと思われるからです。

 この事件における政治資金収支報告書虚偽記載の公訴期限は「今年3月頃まで」と言われていますから、遅くともその時までには、検察当局は事実関係の確定ができるものと思われます。政治家が自ら説明責任を果たす努力をすべきことは当然としても、国民が納得する事実関係は、やはり検察当局も認めたものであると思います。検察当局も認めた事実関係を踏まえて「あるべき対処」を考えるのが、本来あるべき筋だと思います。

 私たちとしては、キチンとした事実関係を踏まえて適時適切な行動を採っていくことが大事だと思っていますので、ここは、是非、昨年の総選挙において期待と信頼を寄せていただいた民主党に対し期待と信頼を失うことなく、もうしばらく見守っていただきたいと思います。