本日、新政権の下で「政府・与党一元化における政策決定」を行おうという新たな試みの中で設置されることとなった「各省政策会議」の第1弾として、「農林水産政策会議」が開催されました。初めての「各省政策会議」の開催でしたので、多くのマスコミの取材があるのは当然としても、私も含め大勢の国会議員(60~70名位)が出席していました。与党国会議員が現在450名位いるとしても、「政策会議」に対する関心の高さが感じられました。
「各省政策会議」は、先月18日の民主党幹事長名での通知によって、設置が決められています。その通知によれば、概要、「民主党の『次の内閣』を中心とする政策調査会の機能は、全て政府(=内閣)に移行する。政策会議は、副大臣が主催し、与党議員が参加可能とする。政策案を政府側から説明し、与党議員と意見交換する。与党議員からの政策提案を受ける。提案・意見を聞き、副大臣の責任で大臣に報告する。」となっています。
確かに、政府・与党における政策決定の一元化は、自民党を中心とする政権時代には、「政府が法律案を出そうとしても、与党(特に、自民党)の事前審査を経なければ出せない」という二元的政策決定の弊害が見られたことから、必要なことだと思われます。しかしながら、国会が「国権の最高機関」(憲法第41条)であることを考えると、国会の構成員である国会議員が行政府各省に従属するような形でしか政策決定できないとするのも、疑問です。
特に、第一に、議員立法として国会議員が法案の提出をする場合や、法案の国会審議の結果として議会で法案修正をする場合、与野党間の協議・調整は、「政策会議」ではなく国会議員中心で行われるべきだと思います。第二に、国会が期待されている役割の一つである「行政チェック」機能として、決算の承認や行政監視を行う場合にも、各省の副大臣が主催する「政策会議」が担当するというのは、ちょっと筋が違っているようにも思います。
いずれにしても、「各省政策会議」を設置するに当たって、「初めての試みでもあるので、走りながら考えて行こう。」ということらしいので、今後、上記の点に関して、或いは、「政策会議」の運営に関して、色々な検討が加えられることになろうかと思います。
そこで、本日開催された「第1回農林水産政策会議」についての感想を述べてみたいと思います。本日の政策会議は、農水大臣の「政府の決定したことをできる限り早く伝達するために開催した」との挨拶や、農水副大臣の「政策会議は、政府から議員会館に出向いて、与党議員に報告をし、意見を承って、それを大臣に報告することとしている。」との挨拶に見られるように、与党議員への連絡・報告が中心となる会議が多くなりそうです。
と言うのも、本日の政策会議で最も関心が集まったのは、マニフェストの主要政策であった「戸別所得補償制度」に関して推進本部を設置した点についてですが、この点についても、「今月1日に推進本部を設置した」旨が「報告」されたのであって、設置のあり方について「意見聴取」や「意見交換」があったわけではありません。さすがに、出席した国会議員からは、推進本部のあり方や進め方について沢山の意見が出ていましたが・・。
また、今後、国会が開会されると、政策会議では政府提出の法案の協議も本格化すると思いますが、その際には、各省の最高責任者である大臣が出席することが前提とされていない(副大臣の責任で大臣に報告することとしているだけの)政策会議で、実質的な政策協議ができるのでしょうか。結局、政策会議は、一定の結論を前提として、与党議員の賛同・追認を求めるような会議にならざるを得ないのではないかと危惧しています。
このような点にも、「各省政策会議」の運用のあり方について、今後、改善・検討の必要がありそうです。