新政権が誕生して2週間が経ちました。この僅か2週間の間に鳩山新政権が発信した国民へのメッセージは、これまでの自公政権と違って、斬新なものであり、スピード感のあるものであったと思います。その意味では、「上々の出だし」と言っても良いと思います。ただ、在日米軍再編の中で「厚木から岩国への空母艦載機の移駐」問題に関する政府の動きがちょっと気になりますので、本日は、この点について最近の動きを見てみたいと思います。
16日付の「今日の一言」で、私は、次のように述べています。
『空母艦載機の移駐問題については、私も、新政権で関係閣僚(外相、防衛相)が決まった時に早速面会をし要請しました。その要請というのは、「空母艦載機の移駐問題に関する要確認事項」として、①岩国移駐を必要とする理由は何か、②移駐受入れを強要する「アメとムチ」政策はどのようにして決まったのか、③愛宕山開発に伴う負担(赤字)は国が負うべきものではないか、④民空の収支見通しと赤字負担をどのように考えているか等を確認しようとするものです。』
この中で触れている「空母艦載機の移駐問題に関する要確認事項」(この文の最後に添付します。)については、その後、関係する副大臣、大臣政務官にも説明をし、問題提起を行っています。この問題提起については、概ね理解を得ているのですが、「ちょっと気になる政府の動き」というのは、次の点です。
その第一は、9日にできた「3党連立合意」の中の米軍再編に関する表現が、民主党マニフェストの表現と若干異なることです。マニフェストでは「日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方について見直しの方向で臨む。」としていましたが、3党連立合意では、その文章の前に「沖縄県民の負担軽減の観点から、」と言う表現が入っています。この表現では、米軍再編等の見直しの対象が沖縄県に関するものだけに限定されるかのような印象があります。
しかし、この点について3党連立合意の作成に携わった政治家に確認をしたところ、「マニフェスト原文では、『見直し』の方向性が不明であるので、負担軽減の方向性を明らかにするために『沖縄県民の負担軽減の観点から』という文言を入れたのであって、米軍再編等の見直しの対象を沖縄県に関するものだけに限定しようとするものではない。」との説明でした。マニフェストが実質的に変更されたものでないことは確かだと思います。
その第二は、岡田外務大臣の米軍再編に関する一連の発言が、普天間基地移設問題に限定されているかのような印象があることです。そこで、先ず、報道された岡田外務大臣の発言を以下にご紹介します。
①21日のクリントン国務長官との会談で、「沖縄県の普天間飛行場などの米軍再編問題について、岡田氏は『民主党として疑問を持っている問題がある。具体的に検討の上、話し合っていきたい』と提案」
②24日の記者団との懇談で、「外相は、普天間基地の移転先がキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)に決まった経緯を検証する意向を明らかにした。外相は『案がまとまったのは自民党時代だ。どういうことであの案に落ち着いたか検証しないといけない』と述べた。」
③27日のNHKの番組で、「
沖縄の米海兵隊普天間飛行場移設やインド洋での給油活動継続問題について、11月中旬のオバマ米大統領の初来日までに結論を出す方針を示した。外相は『(初来日までに)沖縄の基地の問題、インド洋の問題、アフガニスタン(支援)の問題は、一つの大きなパッケージの中で議論していく』と述べた。」
普天間基地の移設先が、民主党がこれまで主張してきた「県外移設」であるならば、米軍再編の見直しの対象が沖縄県だけに限定されるものではないと思います。しかしながら、岡田外務大臣の「米軍再編の見直しの対象」に関する認識については、私自身も良く判りませんので、近いうちに確認させてもらわなければならないと考えています。
空母艦載機の移駐問題に関する要確認事項
1、在日米軍再編関係
(1) 再編の日米交渉
① 厚木基地から岩国基地への空母艦載機の移駐(以下、単に「岩国移駐」と言う。)は、日米両国のどちら側からの提案か。
② 岩国移駐を必要とする根拠・理由は、何か。
③ 岩国移駐以外の選択肢は、あり得ないのか(04年ごろの「星条旗新聞」には、グアムの原子力空母母港化の選択肢が示されていたはず)。また、それらの選択肢は、日米交渉でどのように検討されたのか。
(2) 地元対策
① 岩国市役所建替え経費の補助(残額約35億円)が岩国移駐の受け入れを条件とすることとしたのは、どのような経緯か(誰が、どの場で提案し、どのように決定されたのか。)。
② 米軍再編円滑化特措法による米軍再編交付金の交付を「地元自治体の受容れ容認意思表明を条件とする」仕組みとしたのは、どのような経緯か(誰が、どの場で提案し、どのように決定されたのか。)。
③ 米軍再編交付金の交付総額は、どの位と見込まれるのか。その見込み額の交付は、関係地方自治体に約束された確定数値か。今後変更される可能性はあり得るのか。
(3) 今後の見込み
① 空母艦載機の恒久的な離発着訓練施設を「09年7月末又はその後できる限り早期に決定する」としているが、その検討状況はどうか。
② 今年4月に米政府が「三沢基地のF16戦闘機約40機の撤収、嘉手納基地のF15戦闘機(50機余り)の一部削減」の構想を打診した、と報じられているが、事実か。また、この構想に対する政府の検討状況如何。
2、愛宕山地域開発関係
(1) 過去の経緯
① 岩国基地の沖合い移設事業が採択された時、既に岩国移駐が目論まれていたのではないか。
② 岩国基地の沖合い移設が愛宕山地域開発とセットで事業採択された時、なぜ愛宕山地域開発が地元自治体(山口県、岩国市)の責任で行われることになったのか。
③ 愛宕山地域開発においては、宅地開発で普通に行われている「地主還元」での宅地配分が行われていないが、どのような理由によるのか。
④ 愛宕山地域開発計画は見通しが甘かったと言わざるを得ないが、その責任はどこ(誰)にあるのか。
(2) 今後の見込み
① 地元自治体(山口県及び岩国市)からの愛宕山の土地買取り要請に対して、国はどのように対応するつもりか。
② 国が仮に愛宕山の土地買取り要請に応じる場合、その土地利用の計画策定はどのように行うつもりか。
③ そもそも、米軍基地の拡充や米軍基地機能の強化は、国の負担で行われるべきものである。基地を抱える地域の自治体や住民の負担で行われる仕組みとしたのは不当ではないか(愛宕山地域開発は、基地の建設に係わる事業として、開発に伴う負担(事業収支の赤字)は、国が負うべきものではないか。)。
3、民間空港再開関係
(1) 経緯等
① 岩国飛行場の民間空港再開は、岩国移駐の受入れが条件となっているのか(民間空港再開は、在日米軍再編の中間報告(05年10月)が出される前日に認められている。岩国移駐の受入れが条件となってはいない、と考える。)
② 岩国飛行場の民間空港再開に係わる事業(道路の敷設、ターミナルビル建設など)に対する国からの補助(支援)は、岩国移駐の受入れが条件となっているのか。
③ 岩国飛行場の民間空港再開は、どのような経緯で進められてきているのか(何時、誰の判断で、どのようなことが決まっているのか。)。
(2) 今後の見込み
① 岩国飛行場の民間空港再開は、今後どのように進めていこうとしているのか。
② 民間空港再開に関して、「赤字路線化」が懸念されている。民間空港再開に伴う収支(航空会社の収支、ターミナルビルの収支等)見通しは、どのようになっているのか。
③ 民間空港再開に伴う収支が赤字になる場合、その赤字は誰(どこ)の負担になるのか。