週末に、私の地元で数多くのミニ集会を行いました。これらのミニ集会で関心の高いテーマは、やはり、「国民の将来不安にどう応えていくのか」に関するものです。将来不安の中には、年金・医療・介護などの社会保障の信頼欠如、非正規雇用等を含む雇用不安、子育ての負担、農林漁業の衰退などがあります。民主党は、これらの将来不安に対応するための政策を提案していますが、今日は、「農林漁村での子育て」という視点でお話します。

(問題の視点)
 日本は、現在、少子化社会が進展しています。最近時での出生率(一人の女性が一生に生む子どもの数)は、少し持ち直したとは言え、1、37しかありません。そのため、日本は、今や、人口減少社会に突入しました。特に、都市部での出生率は、都内のある区では、0,9台になっています。子育ての環境として優良な環境を有している農山漁村で、子どもを持つ若い夫婦が、安定した生活を送れるようにするには如何にすればよいのでしょうか。

(農業の衰退)
 その農山漁村が衰退しています。農業について言えば、耕作放棄地の面積が、1980年には12,3万ヘクタール(農地に占める割合は、2,6%)であったものが、2005年には38,6万ヘクタール(同9,7%)になっています。農山漁村の高齢化が進み、若い世代の後継者がいないという状況です。このようなこともあって、日本の食糧自給率は、先進諸国の中でも最低水準の39%(米128%、仏122%、独84%、英70%)しかありません。

(多面的機能の保全・食料安全保障)
 一方で、食料自給率が先進国中で最低水準にあり、他方で、耕作放棄地が農地面積の1割も占めるような状況は、これまでの政策の失敗と言わざるを得ません。世界の人口増加などで食料価格の上昇や食糧不足が懸念される中では、「食料の安全保障」を確保する必要があり、空気・水・土の維持・浄化など農林漁業が無償で果たしている「多面的機能」(年間78兆円の価値があると言われています。)も維持していく必要があります。

(戸別所得補償制度)
 「多面的機能に対する対価の一部支払」という観点も含み、農林漁業に従事する人達の安定的な所得を確保するために、「戸別所得補償制度」を導入します。この制度では、目標とする食料自給率(日本では、当面60%)に基づいて「主要農畜産物」の生産数量目標を設定し、その目標の範囲内で販売農家が特定の産物を生産する場合には、その生産費用(労賃も含みます。)がその産物の市場価格を上回るときは、その差額を国が補うこととします。

 この制度によって、農林漁業に従事する人達が安定的な所得を得ることができるようになり、若い人達も農林漁業で働くことができるようになります。この制度に必要な費用は、農業への戸別所得補償で1兆円、林業への直接支払い制度で千億円、畜産・酪農への所得補償で2千億円、漁業への所得補償で千億円と見積もられています。食料自給率を高い水準で維持している先進諸国も同様の所得補償制度を採用しているのです。

(第一次産業の第6次産業化)
 その他に、農山漁村では、第一次産業としての農林水産業だけでなく、第二次産業としての加工、第三次産業としての流通を結びつけた新しい産業を興していきます。1+2+3=6又は1×2×3=6と言う意味で、第一次産業を第6次産業化していくことで、若い人達が農山漁村でも雇用の機会を増加させていこうと考えています。

(子ども手当の創設)
 以上の政策に加えて、民主党では、子育てに対する資金的支援として「子ども手当」の創設を考えています。「子ども手当」は、子ども一人当たり月2万6千円(年間31万2千円)を生まれてから中学校を卒業するまで支給するものです。子どもが3人いれば、年間90万円を超える手当が支給されますから、物価が比較的安い農山漁村では、上記の「所得補償制度」と相まって、安定的な所得が得られる中で子育てができると思います。

 一部の人は、「子ども手当はバラマキ政策だ」と言う人もいますが、決してそうではありません。少子化社会が進む中で「少子化対策」という政策目的が正当性のあるものであり、仏で「子ども手当」によって出生率が2,02まで回復したように効果が実証されている政策であり、その支給の基準も透明性があって公平性がある政策です。このような政策は、決して「バラマキ政策」ではありません。

(結び)
 以上のような政策は、言わば「直接支払い制度」です。特定の利益団体や業界団体を通じての政策手段ではなく、その政策の効果が直接その政策の対象となる個人にもたらされるものです。そのような観点からも、今の政権では以上のような政策は実行できません。是非、政権交代で、「農山漁村で子育て」の政策を我々に実行させて欲しいと思います。