民主党の中に、本年度補正予算の中身を検証するために有志議員で作った「『亡国の予算』を検証する勉強会」があり、本日は、「地域活性化・公共投資臨時交付金と地域活性化・経済危機対策臨時交付金」について勉強をしました。これまでに、補正予算で設置又は積増しされた46の「基金」(約4,4兆円)のうちで大口のものを検証してきましたが、地方自治体への交付金に関する予算としては、本日がはじめての検証となりました。

 両交付金は、先々月10日に開催された「経済危機対策」に関する政府・与党会議で政策決定されたものです。このうち、「公共投資臨時交付金」は、補正予算で追加された公共事業(事業規模で約1兆5千億円)で地方公共団体が負担する金額の9割程度を国が助成しようとするものであり、「経済危機対策臨時交付金」は、地方公共団体が地球温暖化対策、少子高齢化社会への対応等の事業に対して一定額の資金的支援を行おうとするものです。

 確かに、地方自治体も、地域経済の苦境の中で、地域経済の回復のために財政措置を伴う政策を実施しなければいけない状況に置かれており、国からどんな形であれ資金的支援がしてもらえるなら、大変ありがたいことだと思っていると思います。しかし、今回のこの2つの交付金は、国と地方の財源配分のあり方について中長期的展望も無く、かつ、国が、必要以上に地方公共団体に関与すると共に、恣意的に予算配分する虞があるものです。

 第一に、公共投資臨時交付金については、補正予算で追加された公共事業がどの地方に配分されるかで、その地方公共団体にとっては「天と地」との差が出ます。つまり、国の補助事業(例えば、補助率50%)が実施される場合、通常なら地方が50%負担するところを、この交付金がもらえれば、地方の負担割合がたった5%位で済んでしまうのです。事業の採択は、その事業の所管省庁が行っていますので、正に、その省庁の匙加減如何なのです。

 具体的な事業配分は、総事業の4割から5割が、補正予算の成立した先月27日に行われています。その中には、2400億円の道路整備費が含まれていますが、この交付金の交付によって、「無駄な高速道路は造らない」との前提で作られた新しい仕組み(国が直轄で高速道路を造る場合でも、地方の負担を求めていく。)も有名無実になってしまいました。このようなことも含めて、政府によって恣意的な事業配分が行われていないか、シッカリ監視していく必要があります。

 第二に、経済危機対策臨時交付金については、地方公共団体は、その交付金で賄う事業の実施計画について事前に国の審査を受けることになっています。ところが、実は、その交付額の限度額は、一定の算式に基づいて機械的に決まることになっているのです。しかも、限度額を超える実施計画を国に示しておけば、後は、その実施計画に示された事業のどれにどれだけ交付金のお金を使っても良いこととなっているのです。

 これでは、国の事前審査は、あくまでも形式的なものにしか過ぎず、国による余計な口出しです。どんな事業に使って良い交付金であるかを示して、限度額相当額の「交付金」を単に地方公共団体に渡してしまえば済む話です。因みに、わたしの選挙区内にある市町村については、岩国市約12,9億円、下松市約1,9億円、光市3,4億円、柳井市約3,3億円、周防大島町約7,0億円等となっていますが、各市町で適切に使用するに何の問題もありません。

 以上の2つの交付金は、いずれも法律に基づいて作られたものではなく、単に予算措置で手当てされたものです。従って、その配分の基準も、その基準に基づいて交付金をどの地方公共団体に配分するかも、官僚が好きなようにできてしまう虞があります。その官僚と与党の政治家が結びつくとき、この国の予算は、政治利用されることによって、正に「亡国の予算」となってしまうのではないか、と危惧しています。