本日、今通常国会で初めての党首討論が行われました。小沢代表時代から合わせても、6ヶ月ぶりの党首討論となりましたが、鳩山新代表は意欲満々で、テレビに映る鳩山代表の表情は、終始、笑顔を見せることも無く真剣そのものでしたが、討論自体は、言葉尻を捉えようとする麻生総理の「こだわり」もあって、今一噛み合っていないように感じられました。以下、主なテーマごとに感想を述べたいと思います。

 第一のテーマは、この国をどのような国にしていくのか、そのビジョン、理念は何なのか、です。

 鳩山代表は、従来から口にしている「友愛社会」がその理念です。もっと分り易く、鳩山代表の言葉を借りて言えば「今の社会は、絆(きずな)がズタズタに切れており、人の居場所が無い状況である。人の幸せを自分の幸せと思える社会を作りたい。」ということであり、麻生総理に対しては「今の社会では、人の幸せを妬んだり、人の不幸を喜んだりしている。何故そんな社会になったのか。」との問いかけをしました。

 対して、麻生総理は、「今は、100年に一度の危機であり、理念や抽象論でなく、雇用、住宅、朝鮮半島の危機にどう対処していくのかが最も大事」と切り返し、「7ヶ月前に、『小さくても暖かい政府』と言った。」と理念らしきことも付け加えました。私も、政治には理念が必要だと思い、私たちの勉強会で作った政策提言では、「思いやりの国:日本」と言っています。麻生総理が「理念」を積極的に語ろうとしないことには、政治家としての物足りなさを感じます。

 第二のテーマは、政権としてどのような政治を目指すのか、です。

 鳩山代表は、「我々は、官僚任せの政治ではなく生活者を起点とする政治、タックス・イーター(税金を食いつぶす人)ではなくタックス・ペイヤー(納税者)の側に立った政策、中央集権ではなく地域主権の国づくり、業界中心の縦国家ではなく市民中心の横社会を作りたい。」と述べ、「古い政治よ、さようならだ」と言い切りました。

 麻生総理は、「全体像の見えない具体例や抽象論を語ってもダメ。私達は、政治家をしているのであって、学者や評論家をしているのではない。政治家は、何事も政策として具現化することが大事だ。」と言って、鳩山代表の指摘には正面から答えることはできませんでした。鳩山代表が、「麻生総理は、『上から目線』でモノを見ている」と言っていましたが、その通りだと思います。

 第三のテーマは、政治に対する信頼の回復をどう図っていくのか、です。

 鳩山代表は、本日、民主党政治改革推進本部が、①企業・団体献金を、パーティー券の購入を含め、3年以内に禁止する、②ダミーの政治献金は直ちに禁止する、③世襲については、3親等内の親族が同一選挙区内で立候補することを党規で制限する、との結論を出したことを紹介し、「関係する法案を速やかに提出するので与党も成立に協力して欲しい」と迫りました。

 麻生総理は、「企業・団体献金の禁止は、小沢代表の秘書が逮捕されたことが原因だ。秘書の逮捕を契機として『制度が問題』と言うのは、論理のすり替えだ。」と反論しましたが、事件の本質を理解しない発言です。事件の本質は、実質的には、献金が禁止されている「企業」から献金を受けているのに、形式的には、献金が認められている「政治団体」から寄附を受けたように収支報告書に記載したことが罪に問われているのです。

 第四のテーマは、今の政府予算は、今年度補正予算を含め、「官僚目線の予算」ではないか、です。

 鳩山代表は、「民主党の調査によれば、天下り先は4500団体、天下りは2万5千人、天下り先への国の予算は12兆1千億円、その半分が随意契約になっている。今年度の補正予算も、官僚政治の弊害が出ている。補正予算で、役所には、地デジテレビに71億円、エコカーに581億円、施設整備費に2,8兆円(本予算では6490億円)も付いている。正に、『官僚の、官僚による、官僚のため』の予算ではないか。」と問い質しました。

 麻生総理は、天下りの問題については、「天下りや(天下りの)渡りは、本年から禁止した。入札制度についても、開かれた形でやることに努力する。」と答えましたが、暗にこれまで問題があったことを放置してきたことを認めました。他方、補正予算については、鳩山代表が「意味のない答弁をされて、時間がもったいない。」と言っていたように、麻生総理の受け答えは、官僚に教えてもらった知識を見当違いに披露しただけでした。

 本日の党首討論は、鳩山代表が冒頭に言っていたように「内政が中心」のものでした。最後に鳩山代表が「これからも党首討論をシッカリやりましょう」と言っていたように、討論すべき政策課題は、外交・安全保障を含めまだまだ沢山あります。これから会期末までできる限り多くの機会を見つけて党首討論が行われることを期待します。