4日付の今日の一言」でご紹介しました、ニューヨークの国連本部で開催されているNPT(核不拡散条約)再検討会議準備委員会の関連行事に参加した結果を、次の通り、ご報告いたします。この報告は、民主党の広報委員会に提出したもので、その概要は、近日発行の「プレス民主」に写真入で掲載されます。

 54日からニューヨークの国連本部において開催された核拡散防止条約(NPT)再検討会議準備委員会のサイドイベントに、民主党核軍縮促進議員連盟から平岡秀夫衆院議員及び藤末健三参院議員が出席した。

 核拡散防止条約は、核軍縮を目的に、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5カ国以外の国への核兵器の拡散を禁止すると共に、各締約国に核軍縮交渉を誠実に行うことを義務付けている。また、5年に一度、条約の運用状況等を再検討する会議が行われ、同会議の議題の策定などを目的に準備委員会開かれる。

 前回の再検討会議(2005年)において実質事項に関する合意文書を採択することができなかったこともあり、来年の再検討会議において核軍縮へ向けての具体的な進展が図られることが期待されている。

平岡秀夫のブログ「至誠通天」-シンポジウム(5月6日国連本部会議場) 平岡秀夫のブログ「至誠通天」-シンポジウム(5月6日国連本部会議場)2
 6日、シンポジウム「核廃絶へ向けての進歩的イニシアチブ」にプレゼンターとして出席した平岡議員は、「核廃絶へ向けて国会議員が果たす役割」と題する演説を各国政府代表、NGO関係者などを前に行った。同シンポジウムは、オーストリア政府とNGOMPI(中堅国家講想)の共催で開催されたものであり、「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会(ICNND)」共同議長のギャレス・エバンス豪元外相、「大量破壊兵器に関するブリックス委員会」事務総長を務めたヘンリク・サランダー氏などが出席した。

 
平岡議員は、小学6年生の時に遠足で訪れた広島平和記念資料館で受けた衝撃などの個人的体験を交えて核兵器の悲惨さを訴え、唯一の被爆国の国会議員として核廃絶へ取り組む決意を表明するとともに、同議員連盟が提唱する「北東アジア非核地帯条約案」を紹介した。また、国会議員が核廃絶へ向けて果たす役割として、国民を代表し政府に対し核軍縮の重要性を訴えること、軍縮への積極的な取り組みの政府への働き掛け、海外の国会議員との協力などを含む6つのポイントを提言し、幅広い賛同を得た。

 非核地帯条約とは、核兵器の開発・製造、保有、使用などを地域的に禁止する条約を指す。ラテン・アメリカ及びカリブ地域におけるトラテロルコ条約核兵器禁止条約、東南アジア地域におけるバンコク条約など、既に5つの条約が署名され、内4条約が発効している。国連事務総長の潘基文(パン・キムン)氏も昨年10月の「国連、そして核兵器のない世界における安全保障」と題する演説の中で、核軍縮へつながる効果的な措置として非核地帯条約設置の意義を述べている。

平岡秀夫のブログ「至誠通天」-ドゥアルテ国連軍縮担当上級代表と(国連本部) 平岡秀夫のブログ「至誠通天」-ホッペ国連軍縮部長と

 8日午前、平岡、藤末両議員は、ドゥアルテ国連軍縮担当上級代表、ホッペ国連軍縮部長との個別の会談に臨んだ。会談の中で、両議員は、上記の条約案を含め、民主党の核廃絶へ向けての積極的な取り組みについての説明を行った。ドゥアルテ、ホッペ両氏からは、世界の核廃絶へ向け、被爆国日本、そして日本の国会議員が主導的に取り組むことへの期待感が表明された。

 続いて、両議員は、PNND(核軍縮・不拡散議員連盟:核軍縮政策の実現を目的に、NGOMPI(中堅国家講想)のイニシアチブで設立された国際的議員ネットワーク)主催の円卓会議にPNND日本支部のメンバーとして参加し、カナダ、イギリスの議員などと率直な意見交換を行った。


平岡秀夫のブログ「至誠通天」-東北アジア非核地帯に関するワークショップ
 次に、両議員は、日本のNGO(ピースデポ)と韓国のNGOが共催のワークショップに出席し、上記の条約案についてのプレゼンテーションを行った。カナダ、イギリスの議員、韓国、ニュージーランドの研究者などから、北東アジア地域の複雑な国際関係への先進的提案として評価する声が上がった。

 オバマ米大統領の核軍縮への積極姿勢を背景に各国の来年の再検討会議成功への期待が高まる中、準備委員会は大きな成果を挙げて15日閉幕することとなります。