今日は、広島に原爆が投下されて63年目の日です。昨年の今日は、私も、民主党の核軍縮促進議員連盟(会長・岡田克也衆議院議員、私が事務局長を務めています。)と被爆者問題議員懇談会(会長・高木義明衆議院議員)の有志メンバー10名の一人として、原爆死没者慰霊式・平和祈念式に参加しましたが、今年は、9日の長崎の式典に参加することとなったため、広島の式典への参加は、見合わせました。

 その代わりと言っては何なのですが、昨日、広島で開催された「2008平和シンポジウムin広島 北東アジアの非核化の実現に向けて」に、上記の核軍縮促進議員連盟・事務局長という立場でパネリストの一人として参加いたしました。このシンポジウムには、他に、外務省の森野・軍備管理軍縮課長、NGO「ピースデポ」の田巻・副代表、原水禁の福山・事務局長、核禁会議の澤田・副議長がパネラーとして参加しています。

 世界の核軍縮・不拡散の動向については、大きく別けて3つの方向性が模索されているように思います。1つ目が全世界的規模の国際条約、国際機関を通じた動きで、NPT(核不拡散条約)やIAEA(国際原子力機関)が中心となっています。二つ目は、有志連合国としての動きで、例えば、米国が中心となっているPSI(核拡散防止構想)があります。三つ目は、地域的な非核兵器地帯を作っていこうという動きです。

 核軍縮・不拡散に関する最近の動きとして特記されるべきは、安全保障に係わった米国の元高官達による、核兵器廃絶の提言です。このことについては田巻氏から発言がありました。米国のキッシンジャー元国務長官、シュルツ元国務長官、ペリー元国防長官、ナン前上院軍事委員長が、昨年と今年の1月に、ウォールストリート・ジャーナル紙に、それぞれ「核兵器のない世界に」、「核兵器のない世界を目指して」と題する論文を発表しているのです。

 世界の地域的な非核兵器地帯条約の動向についても、田巻氏から説明がありました。非核兵器地帯としては、成立順に、南極条約(1961発効)、中南米条約(1968発効)、南太平洋条約(1986発効)、アフリカ条約(1996締結)、東南アジア条約(1997発効)、モンゴル非核地帯地位(2000成立)、中央アジア条約(2006締結)があり、南半球は、全て非核兵器地帯となっています。この動きをもっと拡大することが求められます。

 私は、東北アジアの非核兵器地帯条約についての説明をしました。「今や、議論をしている段階ではなく、行動する段階に来ている」と前置きした後、「ピースデポ」が数年前から提唱している条約案を基に民主党核軍縮促進議員連盟が条約案を策定したことを紹介して、これから、この条約案の締結に向けて行動を起こしていくことを宣言しました。具体的条約案は、8日に長崎で発表することとしています。

 ところで、今回のシンポジウムで強く感じたのは、政府の核軍縮・不拡散に向けての弱気の姿勢です。森野氏は、核軍縮については、NPTにおける核兵器保有国の核兵器削減義務に言及することもなく、「現実問題としてなかなか難しい」と説明し、核不拡散についても、米印原子力協力協定が核不拡散原則を崩壊させる可能性があるにも拘らず、「インドに対するIAEAの核査察の対象が拡大することは良いことである」といった趣旨のことを述べていました。

 世界中の多くの人々が、核軍縮・不拡散に向けて我が国が積極的な役割を果たしていくことを期待しているにも拘らず、米国に遠慮しながら及び腰になっている現在の政権の姿勢を残念に思っています。我が国としては、「米国の核の傘」に頼る姿勢を世界に先駆けて見直し、東北アジア非核兵器地帯条約を成立させて、世界中の核軍縮・不拡散への動きにもっと貢献すべきであると考えています。