免疫「超」入門 | 群馬県・桐生 仁盛堂漢方薬局の一日(中医学基礎)

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 漢方薬局で30年以上相談をしています。
毎日新しい発見あり、毎日が勉強です。
お客様の相談を中心に記録していきたいとかんがえています。

皮膚疾患(アトピー性皮膚炎)・不妊症相談・精神疾患など
のご相談を得意としています。

 

安保 徹先生の免疫関係の本を読んできました。

今回はチョット背伸びをして、

『免疫「超」入門』吉村昭彦 著

に挑戦してみました。

あまりに広範囲な分野に及んでいます。

用語が難しく、やはり難解です。

 

当店の相談でいまだに解決できていない

アトピー性皮膚炎に関係した部分だけ参考に

させて抜粋させていただきます。

 

サイトカインに対するモノクローナル抗体

は関節リウマチやアトピー性皮膚炎など

既に使用されている。

サイトカイン:免疫細胞から分泌される

         たんぱく質(分子量が1万~数万)の総称、

         特に炎症に関係するものが多い。

                  サイト(細胞)、カイン(作動する)

モノクローナル抗体

         特定のB細胞から増殖してできた

         遺伝的に同じクローン細胞からつくられた

         均一の抗体

ワクチンによってできる抗体が危険性

の高い副反応を引き起こす場合がある。

ワクチンの副反応として特に問題に

なるのがⅠ型アレルギーである。

花粉症やアトピー性皮膚炎のような

一般にも馴染みの深い免疫応答です。

免疫応答:外から病源体などの異物が侵入した

       時に体内で起こる一連の防御反応。

 

アトピー性皮膚炎はⅠ型とⅣ型とが関係する

という説もあります。またⅠ型で重篤なものに

アナフィラキシーショックなどがあります。

 

アトピー性皮膚炎などのⅠ型アレルギー

疾患を悪化させるのはIL-4,IL-5、

IL-13,IL-31などTh2型とよばれる

サイトカインです。

もちろんⅠ型アレルギーはTh2細胞や

B細胞が何らかのアレルゲンを認識して

いるところから始まるのですが、

自己免疫疾患と同様に増悪化させる

ところにサイトカインが関与しています。

   

ヤヌキナーゼ(JAK)阻害剤がアトピー性皮膚炎

のかゆみを緩和することがわかっています。

  

サイトカインのシグナルをブロックする

経口投与可能な分子標的薬剤の

開発。実際にヤヌスキナーゼ(JAK)

阻害剤はすでに日本で5剤が承認

されている。

 アトピー性皮膚炎といえば何と言っても

痒みを押さえるのが一番の治療です。

 

近年のかゆみ研究の進展からわかって

きたかゆみメディエーターや

かゆみモジュレーター、およびその

シグナル伝達などを標的とした

治療薬が臨床に登場しています。

(ファーマスタイル 2022/NO.27)

メディエーター:細胞間のシグナル伝達を行う

           物質、(ケミカルメディエーター)

           と呼ぶ、これは細胞から別の細胞に

           作用するための化学物質。

モジュレーター:痒みを引き起こすメディエーター

                        が多数存在し、病態時に痒みを

                        増強するモジュレーターも産生

                        されることがある。

最後に中医学で考えるT細胞について

「T細胞には、サプレッサー(抑制)T細胞と

ヘルパー(補助)T細胞がある。

サプレッサーT細胞はB細胞に起源する

自己抗体の分泌を抑制して亢進した

免疫反応を抑制する。ヘルパーT細胞は、

B細胞からの抗非自己抗原抗体の分泌を

助け、低下している免疫反応を高める。

補気補腎中薬は、いずれもT細胞の

量と質を高めて免疫を調節する。」

中医免疫学入門 劉正才/尤煥文=著

 

補気補腎にどのような処方を使用するのかは

根本になりますが、正確な弁証論治ということ

になります。

 

 医学生が免疫の講義を毛嫌いするという

心境がよくわかりました。