小腿(ふくらはぎ)の痙攣に汎用されている芍薬甘草湯 | 群馬県・桐生 仁盛堂漢方薬局の一日(中医学基礎)

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 下肢の痙攣に悩まされている方が多数いる

ようでほとんどの方が芍薬甘草湯を処方されています。

 

 この痙攣の原因があるわけなので、根本を

見極め漫然と芍薬甘草湯を処方されるのに

疑問をもってもらいたいです。

 

 本来は肝の疏泄作用(気機をのびやかにする)

により消化器と調和しているのが、感情の抑鬱

などにより消化器が正常に働いていないと、肝の

陰血が筋脈を養えなくなるので痙攣につながり

ます。

 

 『傷寒論』には

「傷寒脈浮、自汗出で、小便数(さく)、心煩し、

微(すこ)しく悪寒し、脚攣急するに、反って

桂枝湯を与え、その表を攻めんと欲するは、

これ誤りなり・・・・・・」

 

 桂枝湯で発汗することにより、陰虚をより

進め陰血を筋脈に送れなくなってしまった状態

です。

 

 小便数とありますから、陽虚(冷え)もある人

です。つまり陰陽両虚証の人が痙攣を起こし

やすいので、芍薬甘草湯を継続するだけでなく

芍薬甘草湯に附子を加えて陽虚を改善する

ことを考えたり、イライラや抑鬱がある人は

疏肝の薬対柴胡-枳実を加え四逆湯をにして

みてはいかがでしょうか。

 

 あと一つだけ、小児の夜泣きに困っている方

に試しに芍薬甘草湯をためしてみていただき

たいです。腹直筋の痙攣で夜泣きがおきている

ことも多いようです。