中医学では皮膚のことを玄府(げんぷ)といいます。
また気門、鬼門ともいいます。
「玄」は深奥、深遠、玄妙などの意味があります。
玄妙は辞書でみると奥深い道理などとでています。
「府」は空の意味。なので皮膚は「玄妙なる空」と
考えられ、なにか難しい意味があるようです。
現代医学でも皮膚に関してはまだ未知の部分がいろいろあり
研究の過程にあります。
以前、脳内の神経伝達物質が皮膚に存在するということを
(「驚きの皮膚」 傳田光洋 著 講談社 )という書籍で
皮膚には予知したり、記憶する能力があるだろうということを
紹介しました。
中医学で考える皮膚の養生
①:「肺は皮毛を主る。」「憂は肺を傷る」から
憂慮があると皮毛の開合に影響がでます。
ゆっくり、のびやかな呼吸で肺を養うようにします。
②「脾は肌肉を主る」、肌肉とは皮膚組織のすぐ下の部分。
脾虚になると顔色は黄色っぽく痩せた感じ。腫れぼったい
顔の形になり弾性がなくなります。
③面部では顔の主要な部分を足陽明胃経の経絡が巡り、
胃は脾とともに気血の産生に深く関与しています。
胃の病理の状態になると顔の潤沢がなくなります。
④ほほ骨のあたりは手小腸太陽経がはしり、心と
小腸は表裏関係にあります。心は精神意識と思惟活動を
主っているので、気持ちがさっぱりしないと、ほほ骨の周辺に
斑を生じます。
①~④の皮膚の異常を考えると、皮膚の養生が養心
養肺・養脾胃になります。
日常の生活では、気持ちを楽しく、呼吸はゆっくりのびやかに
適当な運動、節制のある規則的食事が必要。
これらを注意すると、紅き唇で瞳は目をみはるような輝きに
なります。
参考図書 「生命沈思録2」曲黎敏 著