薄い紅色のニキビが顔全体にあり、軽い膿疱が
のっている。
そんなに気になるほどでない。
問診で気血の虚があきらかなので、本来なら
こんな時は小建中湯を使います。
(やや膿疱が気になりました。)
数年、皮膚科に通い抗生物質を服用しているとの
こと。最初は薬に効果があった。最近効果がなくなり
相談にみえました。虚証のニキビです。
中国研修の時は、国の違いがあるのでしょうが
下の実証のニキビがほとんどでした。
「肺熱痤瘡」:鼻周囲に多く、前額部にも発症、
口鼻の乾燥を伴う、大便干
「胃熱痤瘡」:顔面に散在、口周囲に多い、
背部・前胸部にも発症 多食、口干
、舌燥喜冷飲、大便秘結、舌紅
「血熱痤瘡」:顔面両頬に潮紅色丘疹散在、
口鼻周囲及び両眉の間面部に
毛細血管の拡張がみられる。
情緒の変化する。とき面部潮紅
明らかになる。月経前皮疹増える、
灼熱感を自覚する。大便干燥、
小便黄赤、舌の先端が紅い。
「毒熱痤瘡」:丘疹の先端に小膿胞が常にある。
疼痛を自覚 膿胞が消えた後皮膚表面
に凹んだ小瘢痕を残す。
胸背部に必ず及ぶ、大便干燥或秘結
数日不行。小便黄赤、舌質紅、苔黄燥。
「湿毒血瘀痤瘡」:結節、嚢腫、皮膚表面
高低不平。重者感染膿胞、
局部紅腫熱痛、頭痛。
顔面皮膚油多い、舌質暗紅。
それぞれ 「肺熱痤瘡」:枇杷清肺飲
「胃熱痤瘡」:調胃承気湯
「血熱痤瘡」:桃紅四物湯合涼血五花湯
加減
「毒熱痤瘡」:五味消毒飲或連翹敗毒丸
「湿毒血瘀痤瘡」:除湿解毒湯 などを
使用する
これらは実証のニキビです。日本では最初に
紹介した虚証の方もかなりいます。
今回の方は排膿散及湯加減に本当に少量の
黄連解毒湯を加わえ、1か月ほどですが、かなり
いい方向へ向かっています。小さな膿胞がでなく
なったとのことです。
(ほとんど枳実と桔梗
の効果です。黄連解毒湯は本当にあるかないかです。)