先ず「安神作用」の説明から繰り返され
なければならない。「心は君主の官なり、
神明焉(これ)より出づ」と黄帝内経に
あります。神明とは狭義の意味では、
人間の意識・思惟・感情などを指します。
つまり、外からの刺激を受けて意識・思惟
・感情などの心理活動を行う。
中医学では心神の不安には動悸・不眠・健忘
煩躁などの症状に対し、中心として「安神法」で
解決していくことが多い。
「安神法」には
重鎮安神・益気養血安神・滋陰安神・疏肝安神
などの他にも中医独特の「安神法」が数種類あり
ます。
これらの効果を西洋医学の「神経伝達物質」の
変化と結び付け評価し考察することも盛んに
なっているようです.
たとえば滋陰養血安神方(酸棗仁・五味子・
刺五加・竜丸肉・遠志・茯苓)などには中枢
神経系の抑制性シナプス伝達を担うアミノ酸
のGABA関連シグナル伝達を高める。
また柴牡安神顆粒(柴胡・黄芩・生牡蛎・磁石
党参・法半夏・夏枯草)などでは海馬区域の
GABA含有量を高め、神経細胞を興奮させる
グルタミン散含有量を低減させるなどのデータが
でているようです。
各種の「安神薬」の処方や構成生薬も日本で
手にいれることが出来ます。
病院で長年向精神薬を処方されていて、改善が
思うようにならなく、漢方薬を併用したいと
相談に見える方もいます。
極端な重症例の方は勿論、病院でのそれなりの
薬剤は必要だと考えられますが、軽症の方と
じっくり相談させていただくと理解力があり、
中医学の理論をよく理解していただけます。
またこちらが興味を引くお話をされ、
勉強になることもたびたびあります。
参考図書
「中医臨床」VoL。42-No.2
安神法概説 鄒 大同
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