群馬県・桐生 仁盛堂漢方薬局の一日(中医学基礎)

群馬県・桐生 仁盛堂漢方薬局の一日(中医学基礎)

 漢方薬局で30年以上相談をしています。
毎日新しい発見あり、毎日が勉強です。
お客様の相談を中心に記録していきたいとかんがえています。

皮膚疾患(アトピー性皮膚炎)・不妊症相談・精神疾患など
のご相談を得意としています。

 

  

慢性腎臓病(CKD)が約2000万人に達しているようです。

お客様で「e-GFR値」(推算糸宮体濾過量)を指摘される人が

多く、勉強してみました。

この本を読んで、人間の体の複雑さをあらためて思い知らされ

ました。

現代医学ではCKDのの患者では

疲労・むくみ・冷え・夜間尿・腰膝のだるさ・貧血などの症状が

診られ治療では

①:血圧管理 RA系阻害薬(レニン・アンジオテンシン系降圧剤)   

②:糖尿病管理::SGLT2阻害薬     

   尿として糖や水分を排泄し、インスリン分泌に依存せず

  血糖値を低下させる。腎臓を保護する効果あり。

③:減塩

     ナトリウムは生命維持に必須ですが、塩分過多になると

   血液量が増加し、血圧が上昇し腎糸球体圧が上昇し

   糸球体が傷つき、蛋白が漏れやすくなったり、炎症や

   線維化の原因になります。

   RAAS系:血圧や血漿浸透圧の調節にかかわる生理

         物質反応系

 今まで、処方箋を受けて降圧薬の使いすぎではないか感じて

いたのですが、血圧の管理は大事であると認識をあらため、

また血糖値に関しても、個人個人が普段から注意しておくことが

肝腎なことであると、いままでお客様に説明不足だったことを

反省しています。

 現代医学で腎は泌尿器や生殖にかんしてだけでなく、免疫・

内分泌・神経などに関しても研究の最中と言えます。

 

  この本で初めて知ったのですが、エクソソ-ムによる

細胞間コミュニケ-ションというのがあり、細胞から放出される

30~150ナノメ-トルほどの顆粒状の物質で、細胞外小胞の

一種が以前は細胞の老廃物としてみなされていたものが

タンパク質や核酸などを包み込んで、体液によって細胞から

細胞へと運ばれ臓器連関を担っていることが解ってきて組織や

臓器の損傷に治療効果が報告されているそうです。

現代医学でもこれからの分野のようです。

 

 現代医学でいう慢性腎臓病(CKD)に対して、漢方の「補腎薬」

が直接的に腎機能を回復させる、というほど明確なエビデンスは

限定的的です。

 

 症状緩和や進行抑制の補助として、臨床に用いられることは

あります。重要なのは現代医学の「腎臓」は漢方医学の」「腎」

とかさなる部分はありますが、一致しない部分はかなり

あります。

 

 腎臓の働きの中で、糸球体の血液濾過によって老廃物を

除き、必要な物質は尿細管で再吸収されます。

糸球体・ボウマン嚢・尿細管をあわせたものをネフロンといい

1個の腎臓に100万個あるそうです。

糸球体には毛細血管が密集していて、人間の体でこのような

場所は他にないそうです。とくに重要な働きをしているか

想像がつきます。

 

西洋医学でみる体を一定に保つ腎臓の働きをまとめてみます。

❶:老廃物を尿として排泄する

❷:体液の量と電解質濃度を調節する

❸:血圧を調節する

❹:赤血球の数をコントロ-ルする

❺:ビタミンDを活性化させる

 

 中医学で考える「腎」の生理機能を簡潔にまとめてみます。

❶:腎は精気を蔵し、成長、発育および生殖を主る

❷:腎は骨を主り、髄を生じる

❸:腎は水液を主る

  津液輸布の調節、廃液の排泄によって体内の水液代謝を

        正常に維持する

❹:腎は耳及び”二陰に開竅し、その華は髪にあり

 

 腎精は腎陰・腎陽とあり

 人体の暑臓腑を滋養し、潤沢にする作用を腎陰といい

 人体各臓腑の生理活動を推動し、温煦する作用を腎陽という

 

 慢性腎臓病を漢方から見ると、水の停滞(痰湿)・気虚・腎虚

瘀血などが絡み合う病態として理解できる部分もあり

現代医学と重なる部分が少なくありません。特に糸球体に

於ける微小循環の構造を考えてみると「瘀血」との関係は

見逃せないのではないでしょうか。