薄々わかっていたこととはいえ、以下の記事を読んで、気持ちが暗くなりました。


https://news.yahoo.co.jp/articles/ed3d46d30dc7d35109b9dbb1525b652034fa5ef4



記事によると大阪府の公立高校の今春の入試に於いて、定時制と通信制を除く145校のうち70校近くが定員割れになりました。


うちの教室からも「定員割れ」の学校を受けた子がいて、「全員合格でした」と言っていました。


大阪には「3年ルール」があり、

「定員割れが3年連続で続き、改善の見込みがないと判断されると、統廃合の検討対象となる」というものです。


このままいけば、かなりの学校が統廃合されて、住む地域によっては、

「通える高校がない」という事態にもなりかねません。


平均倍率は1.05倍ですが、0.35倍の学校はどうなるのでしょう。


そもそも私立に無償化を導入しておいて、府教育庁内に「激震が走った」と言われても、それぐらい予想できなかったのでしょうか。


いや、「維新」は統廃合を狙っていたのでしょうか。

吉村知事は


「いままで経済的な事情で私学を選択できなかったこどもたちが選択できるようになった結果」。「公立高校も切磋琢磨しながら教育の質を高めることに取り組んでもらいたい」とのこと。


統廃合を狙っている、と取られても仕方がないような、コメントです。


本当に「統廃合」されるべきは、「受けたらほとんど合格できる」高校を受験する生徒たちに、次々と課金していく塾業界だと思います。







「けだし政治上の失策は、影響するところ、少からざれども、一旦その過(あやまち)に心付きて、これを改むるときは、あたかも鏡面の曇と一般にして、痕跡を拭(ぬぐ)い去ること難からずといえども、教育の誤にいたりては、これに異なり。

たとえば阿片煙の如く、全身に毒を感じて、表面の徴候にあらわるるは、幾多の歳月を費すがゆえに、その中毒のはなはだしきにいたり、にわかに心付きて非を改むるも、いよいよ回復の効を見るまでには、また幾多の歳月を費さざるをえず。経世家のもっとも心を用いて避くべきところなるに、政府の当局者は、十年以前に軽々その過を犯して、今日は正に中毒の眼前にあらわるるを見ながら、なお治療の手段に思いいたらざるものの如し。」

〜『福澤諭吉教育論集』より