「英語の問題、時間が足りません」
「数学の問題、時間が足りません」
過去問を解く時期になったら、しばしば生徒が口にする台詞です。
たしかに、「これは普通の中学生、高校生には、制限時間内で解けないだろう」というものもあります。(大阪の公立高校C問題英語数学など。)
しかし、多くの場合、基礎基本が固まっていないことが多いと思われます。
例えば、多くの高校生が好きな『シス単』。「完璧に覚えました」という生徒さんの半分くらい(或いはもう少し⁈)は完璧ではありません。
問題を出します。
2✖️3=
4✖️5=
5✖️6=
6✖️7=
7✖️8=
どうでしょう。ほとんどの方が5問答えるのに5秒もかからなかった、つまり1問1秒で答えることができたと思います。
次の5問はどうですか。英語を日本語にしてください。
・impose
・render water undrinkable
・retrieve information
・command great respect
・be conditioned to
どうでしょうか?前述の「九九の計算」レベルで、瞬時に日本語が出てきたでしょうか。
実はこの5つは『シス単』の「ミニマルフレーズ」の中から、私の今までの生徒さんたちが覚えるのに苦労してきた単語、フレーズのベスト5です。
もし、英語の先生がこれを読んでいらっしゃるのであれば、そして生徒さんが「俺(私)は『シス単』は完璧」と豪語(笑)しているなら、是非上の5つを問うてみてください。
ちなみに私の大学受験生への単語テストは、「瞬時に訳が出てくるか」を要求します。
「え〜と、なんやったっけ〜〜〜」と一分間考えて、「あっ、思い出した!」というレベルの単語力では、制限時間のある長文読解では役に立たないからです。
そして基本を完璧にすることこそが、制限時間内に問題を解く鍵だと思っています。マニアックな単語や高度な知識を増やすよりも、基本的な知識を瞬時に取り出すこと。
無理に早く読もうとしないことです。基本的な単語、熟語、文法事項を瞬時に出せる「本当の意味での基礎力」を高めればいい。(長文読解なら「慣れ」と「反復」も必要ですが。)
数学については、私は専門ではありませんので、口幅ったいことは申し上げる事はできませんが、おおよそ同じ事が言えるのではないでしょうか。
難しい問題を速く解く、というよりも、基本的な問題を正確に速く解く。
やはり基本は大切、という凡庸な結論になってしまいます。