「先生を替えてほしい」


塾のクレームとしてはよく耳にするものです。原因としては、ケースバイケースなので、一概に先生が悪い、生徒に問題がある、とは言えません。


しかし、「先生を替えてほしい」と言われる講師は(その生徒は大概私の担当に回ってくるのですが)、生徒をよく見ていません。少し子供の表情を見てみましょう。


高校3年生は、男の子の顔が引き締まってきました。受験生の顔になっています。去年の今頃、修学旅行で浮かれていた時の顔と大違いです。口数も少なくなっています。いい傾向です。


中学3年生は、人によります。上の高3生に似た顔つきの子もいれば、「勉強しないといけないとわかってはいるけど、なかなか思うように机にむかえないな」と、顔に書いてある子もいれば、「受験か〜、早く終われへんかな〜」と、思っている子もいます。(そういった子は大概崖っ淵です。笑)


私が「顔に書いてある」と書いたのは、本当に「顔に書いてある」からです。


25年も同じ教室で子供を見ていると、「あっ、この子はここの塾をやめていくだろうな」というのもわかります。そして、案の定、その生徒はやめます。そして自分の直感が怖くなります。

いや、全て「顔に書いてある」のです。


授業をしているときも、子供たちの顔付き、仕草、表情を見ています。テキストや問題集をみている時間はとても少ない。1コマ90分授業で、10分から20分ぐらいでしょうか。残りの時間はほとんど、生徒たちの顔、仕草、表情を見ています。


何度か授業をしていると、「今日は宿題をしてきたな」「今日は忘れたな」「話を聞いている」「聞いていない」「わかっている」「わからない」「眠い」「疲れた」「他の事を考えている」……全て「顔に書いてある」のがわかります。



「先生を替えてほしい」というクレームがたえない若い講師の先生方、

授業中、テキストや問題集を見る時間を減らして、もっと生徒の顔付き、仕草、表情を見たらどうでしょうか?