英語の先生で自衛隊から転職された先生がいらっしゃった。とてもキビキビとして、きっちりとした教え方をされていた。しかし、どうしてか、授業中は生徒たちがとてもうるさく、授業になっていない事もあった。あまい、というのでもない、怒らないというのでもない、授業が「堅すぎて」面白くなかったのだと思う。
3年になって先生が代わった。大学を卒業したての若い女性の先生だった。
向山先生が
「新卒の女性の先生の授業は必ず学級崩壊する」
と述べられていたが、その先生の授業も絵に描いたような(こういう表現は正しいか?)、授業崩壊だった。
中学3年でも受験勉強などどこ吹く風?
誰も聞いていない。立ち歩いている生徒はあまりいなかったが、やんちゃグループがはしゃぐはしゃぐ。
臆病な私は、はしゃいでいる子に対して、「静かにしろ」と言う勇気もなく、中学の授業は家や塾での勉強の「息抜き」だと思うことにした。
今考えると、その先生には気の毒だった。
ある時、その先生がほっぺ辺りに大きな絆創膏を貼っているのを見かけた。よそのクラスの男子に殴られたらしい。(はっきりとは知らない。)
またある時は、先生が教科書を訳すように、生徒の1人を指名したところ、『教科書ガイド』を見ながら答えていたので、先生がそれを取り上げて、窓から外に放り投げた。その生徒は、
「取ってこいや!☆☆☆!」
と言い、喧嘩になった。
誰が悪いのだろう。生徒たち全員だろうか?それともその新卒の先生の技量不足、経験不足だろうか?はたまた、当時の教育制度だろうか?(今もほとんど変わらないと思うが)
ただ、その先生には、笑顔が1度もなかった。笑っている顔を見たことがなかった。
そのような授業だったので、私は中学校の授業で英語の知識を何か習得した感じがしない。