今日は少し教育技術的な話です。


これまで20年以上、いろいろな生徒さんを見てきました。


その中には、いくら頑張っても、英語の単語が書けない、覚えられない、という子がいます。


本人としては、本当に一生懸命覚えようとしているのに、です。


大手進学塾の先生にとっては信じられないと思います。


そもそも、おそらく多くの塾では、進学塾補習塾問わず、英単語の学習は家庭学習で、という所が多いのではないでしょうか。いや、多くの学校でも単語を覚えるのは「宿題」、とする先生がほとんどだと思います。


私も「それができる」生徒ならば、家庭学習にしています。そして次の時間に単語テスト(10〜20ほど)。


しかしながら、それだと先の「どうしても単語を覚えられない生徒」は、いつまでたっても、学校でも、そして塾でも、覚えることができないままです。


私はそのような生徒さんに限り、授業中に単語を覚える時間をとります。


ここで、それらの生徒さんに


「もっと沢山、何回も、何十回も、何百回も書いて書いて書きまくれ」


と指導するのは、指導としては「下の下」だと思っています。


なぜなら書くこと自体が目的になってしまっているから。


なぜなら、それこそがますます子供達を英語嫌いにさせていくから。


ことわっておきますが、私自身は、中学の時も、高校の時も、広告の紙の裏に、50回100回と単語を書いて覚えた経験があります。


それができる人はいいのです。


また、今回取り上げている問題は、大学受験生がよくいう


「シス単覚えられへん」


というレベルの問いではありません。


認識語彙レベルの話(単語を見て意味がわかる)なら、いわゆる「効率のいい覚え方」などと題した、書物、動画が溢れています。


そうではなく、主に中学生の1年生を中心におきる、テストのために単語を覚えるように言われても、どうしても書けない、という問題です。


私の今の段階での指導は


指書き


です。


つまり、鉛筆の芯を紙に擦り付ける作業とスペルを覚える作業を同時にする事が難しい子供がいて、鉛筆を持たずに、指で何回か練習してもらうことで、スペルを覚える作業だけに集中させる、という狙いです。


新しい単語を習った時、


「指で机の上に書いてまず覚えて、指で書けるようになるまで、鉛筆を持ったらダメやで」


と指導します。


実は中学1年生の4月にも全員同じ事を言って、何十回書け、何百回書け、という根性式指導をしないように、せっかく小学校の英語が楽しかったのに、中学に上がって嫌いにならないように、しています。


この方法で、8〜9割は書けるようになります。


(もう少し細かくツメるところはあるのですが、長くなるので割愛します。)


それでも100%ではないのですよ。


私の未熟なところです。