10月16日(金) 晴れ

コース


山形駅7:06の電車で村山駅に8時前に到着。
軽く準備運動をしてスタート。
街道に出てすぐ、右手に200mほど入ったところに本覚寺があり立ち寄る。ここには左右の松と最上徳内の墓があるとのことだったが、最上徳内の墓は失念してしまった。

本覚寺 左右の松

街道に出てまた少し行くと切り通しになっていて、愛宕神社があり、道路際にたくさんの石碑が並んでいた。ここも三島県令が開削させたものだという。

愛宕神社と石碑群

街道が国道13号と合流してすぐの、右手ドライブインの敷地内に「尾上の松」があった。樹齢600年という。

尾上の松

旧道はその先で右に入り、すぐに本飯田宿となる。
本飯田宿と次の土生田宿の中間あたり、鳥海山がきれいに見えるなと、左の脇道に入るとちょうどそこに「イザベラバード、清河八郎 鳥海山眺望の地」という案内板があった。この2人も同じように感動したんだと、偶然に同じ場所だったことがうれしかった。

「イザベラバード、清河八郎 鳥海山眺望の地」の案内板と鳥海山

 

やがて尾花沢市に入る。
赤く塗ったドラム缶を消火栓にかぶせてあったが、消火栓が雪に埋もれても、消火ホースをつなぎやすいようにするための工夫らしい。

ドラム缶をかぶせた消火栓

やがて尾花沢宿に入る。街道が左に曲がるところに「芭蕉・清風歴史資料館」があり、立ち寄る。芭蕉と清風との関わりなどが解説されていた。その親密な交流もあり、芭蕉はここ尾花沢に11日間滞在したという。

街道を左に折れてしばらく行くと小学校があり、校庭に日本最北の代官陣屋の跡があったとのこと。正門のあたりをぐるっと探してみたが、それらしき案内は見当たらず、逆に「用のない者の立入禁止」の看板が目に入ったので、そそくさと街道にもどる。
左手に芭蕉が逗留したという養泉寺も見当たらず、そのまま先に進む。
丹生川の手前で月山がきれいに見えるスポットがあり、写真を取る。

月山

芦沢駅への脇道右手に見ながら先を進むとティー字路に出る。そこを左折すると名木沢宿に入る。12時近くになって、お腹が空いてきた。
尾花沢宿までの街道は蕎麦街道と呼ばれているようで、蕎麦屋かたくさんあったが、まだ少し時間が早かったので通過して来てしまったが、尾花沢宿を出ると食事ができる店が全然見当たらない。しかたなく国分という雑貨屋さんであんパンを買って、食べながら歩く。
山形はそばが美味しいことで有名なのだが、残念なことをした。

名木沢宿を出て、毒沢口の交差点を右に入ると、猿羽根峠に向かう旧道だ。事前の調査では旧道はすでに失われ、三島県令が明治時代に作った舗装道路も他の人の旅行記では、土砂崩れなどで通行不能と書かれていた。その交差点に来て右を見ると、早々と通行禁止の看板が目に入る。

毒沢口交差点を右に入ったところにあった「通行禁止」

昨年11月に山で通行禁止の道路を無理に進んで、左肩を脱臼した経験をしているので、「通行禁止」の警告にはとても敏感になっている。あっさりとあきらめて国道13号の猿羽根トンネル経由で行くことにする。
トンネル内に歩道でもあれば安全なのだが、ない場合はとても危険で、ワーストケースを想定して腕に巻き付けるLEDライトを持ってきたが、ラッキーなことに工事中で片側通行になっていた。
歩道はなかったが、封鎖している車線側がまるまるオープンで、難なく通行できトンネルを抜け、舟形町に入る。

工事中のトンネルと猿羽根峠への向かう旧道

そこからUターンするように鳥居のある坂道を登っていくと、猿羽根峠や猿羽根地蔵尊である。羽州街道の難所のひとつでもある猿羽根峠はパスするわけにはいかない。坂道を1キロほど街道を引き返す。

峠の少し手前に舟形町歴史民俗資料館があり、「縄文の女神」のレプリカがあるということだったが、山形市で本物を見てきているし、時間もあまりなかったので立ち寄らず猿羽根地蔵尊に向かう。

猿羽根地蔵尊

来た道を引き返しトンネルの出口をすぎると1キロほどで舟形宿だ。本陣商店とある店が、本陣のあったところだそうだが、見落としてしまった。

舟形宿

小国川を渡って舟形宿を後にする。

ほどなく新庄市に入る。市内に入る手前の歩道橋から鳥越の一里塚を見つける。塚木はブナだそうだ。

鳥越一里塚

そのすぐ先に地蔵堂があって芭蕉の氷室の句碑「水の奥氷室尋ぬる柳かな」があるとのことだったが見過ごして、奥羽本線をくぐる立体交差のあたりから回り込むような形で句碑を見つける。なんとそこは鳥越一里塚のすぐ近くだった。

芭蕉 氷室の句碑

奥羽本線をくぐって街中をしばらく進むと升形川の手前に接引寺があり立ち寄る。入口左側に地蔵さんが6体あり、どの口元も黒くなっている。この地蔵さんは「まかど地蔵」と言い、宝暦の大飢饉の時に建てられ、江戸の三大飢饉による餓死者を弔っている。食べ物に困らないようにとの願いを込めて、口に餡をつけるようになったと伝えられる。

接引寺 まかど地蔵

升形川を渡り大町の交差点で右折してほどなく新庄駅入口交差点に来る。新庄宿本陣のあったところはもう少し先だが、電車の時間まであまりないので今回の羽州街道ランはここまでとする。

駅でまず土産を買う。ここで前日ホテルでもらった地域共通クーポンが使えたのでほっとした。

駅前の食堂でビールを飲みながらそばかラーメンでもと思ったが、店が少ない上に開いていない。少し歩いたがあきらめて駅構内の喫茶店のようなところに入り、きのこうどんとビールを注文する。結構良い値段だったが、走り終わった後のビールには代えられない。一口目ののど越しで至福の一瞬が訪れ、満足感に満たされる。

帰りは、単線の山形新幹線つばさで家路につく。よく考えてみると、青森から帰るほうが時間がかからないことに気がつく。

山形新幹線 つばさ

次回はいよいよ秋田県に入ることになる。食べ物が楽しみだ。