羽州街道ラン2

2019年9月25日(水) 晴れ

コース



昨日、旅館の女将さんに洗ってもらった洗濯物はしっかりと乾いていた。

7時から朝食を頂く。かなりの量で、思った通りお腹をこわす。出発前で良かった。これで不安なく出かけられる。

バスは8時25分頃ファミマ前を出るので、少し前に宿を出て、関の地蔵を探しながら歩くと、ファミマの少し手前にあった。確かに、滑津の振袖地蔵の方向を向いている。

関の地蔵


バスは定刻に発車し、スキー場などに寄り道しながら9時頃に東光寺前で降ろしてもらう。乗客は今日も一人だけだった。
準備運動をして、さっそく9時10分にスタートし、だらだらした坂を上って行く。途中、さっき乗ってきたバスとすれ違うので挨拶をする。
干蒲の停留所まで約4キロ。昨日はどうも金山峠までの距離と取り違えていたようで、これなら1時間もあれば余裕で着いて、今日はここからスタートできてたのに残念だ。

間の宿である干蒲宿は七ケ宿には数えられていないようだ。街も宿場の雰囲気を残すものは見当たらない。

干蒲宿を抜けるとすぐに左の脇道に入る。しばらく行くと本格的な山道となる。木陰になっているところはまだ雑草の成育も弱いが、日向では膝ぐらいまで草が生えている。

金山峠への山道


やっとのことで鏡清水に着く。そこから舗装道路となり50mほどで金山峠で山形県に入る。さらに50mほどのところで再び山道に入ることになるが、見つからない。草むらの中に微かな踏み跡があったので藪をかき分け50mほど行ってみたが、どうも変なので引き返す。舗装道路に戻りよくよく見ると草に隠れた下りの木の階段が見つかる。せめて旧街道はこっちという看板が欲しかった。

金山宿までは本格的な山道で、傾斜もけっこう急である。ところどころに木道も設置されていて、山形県側のほうがひとの手が入っているようだ。下草などを刈る予定地のロープが何ヵ所かあったので、定期的に整備していただいているようだ。

金山宿でやっと舗装道路となり、坂を下っていく。国道に合流して、金山川を十月橋で渡り、しばらく行くと脇本陣滝沢屋が目に入る。楢下宿から移設して、建物内部も見学できるようにしているが、この日は休館日となっていた。楢下宿はコの字型になっていて、最初に右に折れるところに武田家の当時の建物ががあり、「ご自由に見学ください」と書かれているものの、扉が開かない。やはり休館である。

脇本陣滝沢屋


国道を離れ、宿場に入っていく。突き当たりにかかる橋がめがね橋。橋を渡った先を左に曲がったところに脇本陣庄内屋の粟野家の建物。ここは休館にはなっていなかったが、先を急ぐ。その先に本陣があると書かれていたが、それらしい建物は見当たらなかった。ふたたび左折し上り坂を進むと覗橋となる。めがね橋も覗橋も石作りの優美な橋で、明治初期に山形県令となった三島通庸が作らせたとのこと。結構、強引に工事を行ったようだ。橋はそれ以来流されず、今でも車が往来しているので、かなり頑丈な設計だったのであろう。

めがね橋


国道に合流し、1キロほど進むと、右手に長い板塀が見える。「丹野こんにゃく番所」である。中にはレストランと売店がある。売店ではバラでこんにゃくの串を販売していたので、美味しそうな2本を買って、食べてみる。こん肉焼きは焼き鳥の食感で、面白い味だった。ラ・フランス風こんにゃくゼリーの試食もさせていただいて、大して注文したわけではないのに申し訳なかった。

丹野こんにゃく番所のこんにゃく 上:醤油餅こんにゃく 下:こん肉焼き


上山に向かって進む左手に、ピラミッドのようにきれいな三角錐の形の山か2つあるという。
三本松の道標で街道からそれて良いシャッターポイントを探すが、民家などが被写体の前を遮る。プロの写真家ならしつこく辺りを歩き回って探すのだろうが、適当なところで妥協する。街道に戻りしぱらく走ると、良いアングルと思われる場所に来た。ふたたび街道を離れると、黄色く色づいた稲穂を前景に三角錐の山を捉えることができた。

ピラミッドの形をした山


やがて上山市内に入り矢来橋を渡る。「おくりびと」のロケ地で主人公、小林大悟の出生地は橋を渡った先の交差点を左折してすぐのところの川沿いにあった。とても小さな家で驚いた。
この映画はまだ観たことがないので、帰ったらさっそく観てみよう。

「おくりびと」のロケ地 主人公小林大悟の出生地


かみのやま温泉駅入口交差点をすぎるとすぐに上山城への入口に着く。これから上山城など市内を見て回るとけっこう時間がかかる。お腹も空いてきたし、食後すぐは見学するので走らないし、ということで、腹ごしらえをすることにした。

駅の方に進み、川の手前にある中華料理店に入ると、冷しラーメンがあったので注文。冷しラーメンは山形市が発祥とのことで、ぜひとも食べてみたかった。
油がスープに溶けていないので、脂っこく感じるが、オーバーヒートとガス欠寸前の身体にちょうどよかった。

冷やしラーメン


上山城は中が資料館になっている。エレベーターで4階に上がると、上山市内の先、左手に蔵王連峰が望める。
資料館は上から順に古墳時代の出土品の展示から近世の流れで展示してある。特に、上山が輩出した著名人の紹介、特に斎藤茂吉の紹介が顕著だった。この日は休館日で斎藤茂吉記念館に行けなかったのは残念だった。

上山城


上山城の西に武家屋敷が4軒あり、立ち寄ってから、沢庵和尚の春雨庵に向かう。庵の中に入るとビデオが置いてあり、5分ほどの説明を聞く。沢庵和尚の人柄に引かれ、近在の農民から沢山の野菜が届けられ、その中の大根の保存方法を開発し広めたことから、沢庵漬けが広まったという。

沢庵禅師春雨庵


街道に戻り、坂を上って行く。この坂を花立坂と言うらしいがどこからどこまでなのかわからない。坂の途中からの蔵王連峰が素晴らしい。
スキーをやっていた頃は憧れたものだ。でも、一度も来たことがない。スキーはもうとっくに止めたので、紅葉の季節にでも来てみたい。

蔵王連峰


新興住宅街をすぎると下りになる。果樹園の間を抜けていくと「蔵王みはらしの丘」という公園に出る。その隣の神明神社に立ち寄り、さらに坂を下ると国道に合流し、すぐに黒沢宿となる。黒沢宿は次の松原宿と協同で宿駅を務めた間の宿である。


やがて山形市内に入り北上を続けてきた羽州街道が直角に東の方に向きを変える。JR奥羽本線を越えた辺りから八日町に入る。このあたりは湯殿山の行者宿街だったとのこと。道沿いには男山酒造の工場もあった。

男山酒造


その先で左に折れて再び北上すると、豪壮な建物がいくつか残っており、にぎわっていたことをうかがわせる。北上を続け突き当りまで来ると3階建てで洋風の旧山形県庁舎が正面に威容を見せてくれる。同じ敷地内にある県会議事堂と共に1916年に竣工し、現在は文翔館と呼ばれる山形県郷土館として利用されている。

旧山形県庁舎(文翔館)


また、このあたりに本陣があったとのことなので、この日のランはここまでとする。時刻はおおよそ17時。

山形新幹線の時刻を調べると18時4分発があり、1時間ほどしかないので、ゆっくりしていられない。急ぎ足で山形駅に戻り、お土産とビールを買って自由席の列に並ぶ。結構混んでいたが、何とか座れた。そして、即ビール。

山形新幹線車内


次回は時間を取って、レンタサイクルでゆっくりと山形市内を見学したい。

走行距離:38.1キロ
走行時間:5時間38分