5月16日、前回の血液検査でPSAが90オーバーだったため、前立腺癌の疑いとのことで、この日は初めての泌尿器科のカウセリング外来。


このカウセリング外来というのがどんなものか分からなかったが、簡単に言えば、血液検査の結果を踏まえて前立腺癌に関する説明と、今後必要となる検査について一通りの説明がなされるものらしい。


さいたま日赤2回目の外来受診ということもあり、予約時間の30分前くらいに到着した。再診受付機で受付を済ませ、予約票をとり、外来受付に渡し、診察の順番を待つ。が、今回も血液検査や尿検査のオーダーがドクターから入っているらしく、前回同様にまた検査を行うことに。事前に検査の有無が分かるとよいのだが。


検査を終え、その旨を外来受付に伝え、診察の順番を待つ。この時点で予約時間を30分は過ぎていた。


ようやくモニターに自分の予約番号が表示され、診察室に入った。最初にベッドに横になるように言われ、肛門に指を入れて腫瘍を確認する「直腸診」が行なわれた。前回、「前立腺癌の疑い」と言われていたので、どんな検査が行なわれるのかは事前に勉強していた。直腸診、MRI、CT、骨シンチ、前立腺針生検、これらの検査が今後必要になることは調べていたのだが。


ドクターからは「かなり硬いですね。今まで尿が出にくくなったり、尿の回数が増えたり、残尿感があったりしませんでしたか?」との質問。自分としてはどれも特に意識したことはなかった。すると、「血尿とかは?」とも。もちろん血尿もなかった。


事前に検査のことは調べていたとは言え、やはり硬いとか言われるとショックだった。自分の心の中のどこかではまだ「何かの間違いであってくれ」という気持ちがあるのだろうか。


さて、次に電子カルテ上でそれぞれの検査予約の空きを確認しながら、MRIや骨シンチなどの検査日程を決めていった。


自分が一番気になっていた内容、治療の大変さを聞いてみた。「仮に前立腺癌と確定した場合には治療は大変なんですか?」と。


この後は先生には申し訳ない気持ちだが、あまり記憶にない。前立腺だけに留まらず所属リンパ節に転移しているとなればステージ4、何年も生存する方も中にはいるが予後は平均で3年から5年とかというような内容を説明してもらった。


人間とは不思議なもので、自分が聞きたくないことはたとえ聞いたとしても都合の良いように解釈したり、聞こえなかったかのように振る舞ったり、としてしまう。


一番聞きたかったはずの治療の大変さ

当然その説明の前提として5年生存率の内容もあるだろうが、それは一番聞きたくないものだった。


このブログを書き始めるに際して、数あるがん闘病体験を拝見させていただき、何と懸命にがんと向き合い、必死に闘っている諸先輩が多いことかと思い知らされた。


聞きたくないではなく、自分のがんと向き合うということは、何よりもまず嫌なことであっても現実をいかに直視できるかだと改めて思った。


この日は次回の検査予約をして終わった。


自分の弱さを実感した一日であった。