日経平均が高値を更新する一方で、家計の実質賃金は下落する「株高不況」の時代に、インフレは株式投資家にとって追い風となる─第一生命経済研究所の主席エコノミストが示す、2026年の逆転シナリオ。


エコノミスト藤代宏一とは?

藤代宏一(ふじしろ・こういち)は、第一生命経済研究所 経済調査部の主席エコノミストとして金融市場全般を担当している。

その経歴は実務と政策の両面で豊富です。第一生命保険入社後、みずほ証券への出向を経て、2010年から2年間は内閣府の経済財政分析担当として出向し、国の経済財政白書の執筆や月例経済報告の作成に従事しました。
現在は、経済解説者としてテレビや新聞、ラジオなど多くのメディアで活発に発信を続けています。

2026年の株式市場を読み解くカギ:「インフレ」と「夢」

藤代氏は、2026年の株式市場、特に日経平均株価の行方を考える上で、「インフレ」と、それに伴う企業の「設備投資」こそが最大の鍵になると分析しています。

一見、物価上昇は家計を圧迫する悪者と考えられがちですが、株式投資の観点からは異なる側面を見せます。

「株高不況」の現実と株価上昇の源泉
現在の日本経済は、日経平均株価が歴史的高値を更新する一方で、物価高が続き実質賃金がマイナスという、いわば「株高不況」の様相を呈しています。この状況下で株価が上昇し続けるためには、企業の1株あたり利益(EPS)の増加だけでは不十分で、投資家の期待値の上昇、つまり株価収益率(PER)の上昇が必要です。

藤代氏は、このPER上昇を引き起こすのは 「夢」、つまり市場の将来に対する楽観的なストーリーだと指摘します。過去のバブル期には「日本企業が世界を席巻する」という夢がありました。現在、その役割を果たしうるのが、「インフレを背景とした持続的な企業の設備投資拡大」 というストーリーです。

なぜインフレが株式の「味方」になるのか?

藤代氏の論理は、以下のようなステップで展開されます。

1. インフレが企業収益を押し上げる
適度なインフレ環境下では、企業の売上高が名目値で拡大します。物価上昇に伴い、製品やサービスの価格が上がることで、売上金額そのものが増加するのです。これが企業収益の土台を強固にします。

2. インフレ期待が設備投資を促進する
将来も緩やかなインフレが続くと企業が予想すれば、「今のうちに設備を投資しておいた方が得」という判断が働きます。将来的に物価(=資産価格や建設コスト)が上がると見込めば、早期の投資を決断しやすくなるからです。

3. 設備投資が経済と市場の「夢」を生む
企業がこぞって将来を見据えた設備投資に動くことは、日本経済全体の成長期待を高めます。この投資循環が生み出す 「日本経済の持続的な成長ストーリー」 こそが、市場に「夢」を与え、PERの上昇を支える要因となるという考え方です。

2026年、インフレが追い風となりうる業界

こうしたマクロ環境を踏まえると、2026年に特に注目すべき業界が見えてきます。藤代氏の視点と、市場専門家の予測を合わせてみましょう。

金融(特に銀行)業界
インフレ環境は金利上昇の可能性を高めます。これにより、銀行の主要な収益源である金利差(スプレッド)が拡大するため、業績向上が強く期待されます。多くの専門家が2026年も銀行・金融業界を好調と見ており、まさにインフレ相場の主役候補と言えます。

建設・資材業界
企業の設備投資や、政府主導の国土強靭化、製造業の国内回帰に伴う工場建設などで、旺盛な需要が見込まれる業界です。インフレ期待が投資を前倒しさせる効果も、この業界には直接的かつ強く働くでしょう。

AI・半導体関連業界
世界的なAI投資の拡大は継続見込みです。インフレ下では、技術革新による真の生産性向上を実現できる企業への評価がさらに高まります。半導体製造装置や材料など、日本の強みを発揮できる分野が特に注目されます。

個人投資家が2026年に向けて意識すべきこと

藤代氏は、インフレ時代において、個人が資産を守り増やすために株式を保有することの重要性を指摘しています。預金などの現金資産はインフレによって実質価値が目減りしてしまいますが、株式は企業の実物資産や収益力と結びついており、インフレに対応した価値上昇が期待できるからです。

ただし、すべての株式が等しく恩恵を受けるわけではありません。先に述べたような、インフレ環境下で収益拡大が見込まれる業界や、設備投資を通じて成長ストーリーを描ける企業を選別していくことが、2026年の投資を成功させる重要なポイントになるでしょう。


まとめ:2026年は「賢いインフレヘッジ」としての株式投資を

藤代宏一氏の分析が示すのは、2026年は「インフレ」というテーマから目を背けるのではなく、その力を逆手に取った投資戦略が有効になりうる、ということです。

· インフレと設備投資の好循環が、企業の名目収益を上げ、市場に成長の「夢」を与える。
· その恩恵を受ける業界として、金融、建設・資材、AI・半導体などが特に注目される。
· 個人投資家は、インフレによる現金資産の目減りを防ぐ手段として、株式保有の意義を再認識する必要がある。

「株高不況」という言葉に不安を覚えるかもしれませんが、市場の構造を理解し、適切な業界と企業を見極めることができれば、2026年は逆にチャンスに満ちた年となる可能性があります。インフレが、用心すべき敵から、株式ポートフォリオの「味方」に変わる年─その備えを、今から始めてみてはいかがでしょうか。

クリックお願いします!🙇

↓↓↓                ↓↓↓
ブログランキング・にほんブログ村へPVアクセスランキング にほんブログ村