今日、8年間乗ってきた車を手放しました。
車はボロボロで、塗装は剥がれ、擦り傷も多々あり、室内も汚れがとれず
手放すのになんの躊躇もありませんでした
最後の日、一応車内を清掃していたら一つのキーホルダーが見つかりました。
次男が学校に使っていたリュックサックにつけていたキーホルダーみたいでした。
そのキーホルダーを見た時に、急に胸に込み上げるものがありました。
手放す時、なんの感情もありませんでしたが
そのキーホルダーを見た時、この車が次男の闘病生活を共にした貴重な仲間だったなと思いました。
この車との思い出が走馬灯のようによみがえってきました。
一つ目の大学病院へ行った車中
セカンド・オピニオンで大学病院へ向かう車中
手術が終わり、先生から最悪の結果を聞き、涙で前が見えず、高速をぶっ飛ばして帰った時
東京の病院には、最寄りの新幹線駅に何度もこの車で朝早く出かけていました。
退院して、学校の送り迎えで次男と車椅子を乗せて通った日々
ほとんど会話はできませんでしたが、あの車での二人だけの空間がとても貴重な時間でした。
もう東京ではなく、地元の病院にアバスチンをうちに行った時は体調が悪く、車中ではとても苦しそうでした。
旅立つ2週間前の4月2日 最後の東京への診察で次男が出発する時、兄弟全員で見送ってくれました。
脳腫瘍という病気で、次男が旅立つ時はあるかも知れない
しかし、事故なんかで次男の寿命を縮める事は絶対したくない
次男を乗せている時は、いつもそんな緊張感で運転していました。
命懸けの運転でした。
4月16日の朝、母親と叔母と一緒に墓参りに行った時に、嫁さんから次男がもう旅立ってしまうから帰って来てと言われた時
信号も無視したんじゃないかと思うぐらいアクセル全快で運転したあの日
ドキドキしながら、次男頑張れ 頑張れって何度も心の中で叫んでいました。
この車には次男との思い出がいっぱいあります
次男のキーホルダーが見つかったのは、偶然ではないような気がします。
こんなにボロボロになってたんだ
よく頑張ってくれたな
次男は車酔いがひどくて、車は大の苦手でしたが、最後に一言お礼が言いたかったのかな
泣いたり、笑ったり、苦しかったりいろんな事あったけど、次男を守ってくれました。
次男の変わりにお礼を言うよ
急に寂しくなったよ
「今まで、ありがとう」