次男の病気を知ってた方も、知らなかった方も私達にどう声をかけていいかわからなかったと思います。
私達家族は入口に並んで、参列者に挨拶するのですが、顔があったら一人一人に自分から寄っていって声をかけていきました。
泣いておられる方もいましたので、こちらから、「大丈夫?貰い泣きしますやん」と言って明るく振る舞うようにしました。
こちらから話かけないと、涙がでそうだったので、必死に明るい父親役を演じていました。
ふと、横を見たら嫁さんも全く涙を見せず
息子達も冷静にぎこちない挨拶を頑張ってしていました。
高校サッカー部のメンバーが来た時は、さすがに泣いてしまいそうになりましたが、必死にこらえ 「ありがとうな」だけしか言えませんでした。
高校の先生方には、「よく頑張ったですね」と言われ、本当に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
何度か危ない場面はありましたが、必死に泣くのは阻止できました。
絶対、私が人前で泣いてる姿とか次男は嫌がると思ってたので、持ち前の愛想と明るさだけで、乗り切ることができました。
このお通夜と、告別式で一番驚いたことが、
会社で犬猿の仲、言い争いをして、ろくに挨拶もしたことのない上司や、同僚が来てくれたことでした。
絶対、私の事をよく思っていない人達が、たくさん来てくれてました
会社の上司や同僚は、次男の事は全く知らないのに、まして私の事が大嫌いなはずなのに、なぜ来てくれたんだろうと驚きました。
次男が、私に
「人の事、憎んだり、恨んだりしてはダメだ 感謝してみんなと仲良くして」と次男が私に伝えたかったのではないか、私の心の中で何かが大きく変わりました。
闘病中逃げ回るように一目を気にしながら生活していた近所でしたが、
近所の方も子供を連れて来てくれていました。
挨拶がおわり会場に入っていくと
君の名は。のスパークルの音楽が流れていました。
お通夜が始まり、喪主の私から焼香しました。
打ち合わせでは、焼香した後、私だけが前にならんで焼香する方に挨拶する事になっていましたが、あまりの人数の多さに、嫁、長男、三男、四男も前で、挨拶することになりました。
私は前に立ち一人一人挨拶しながら、次男……この光景見えてるかな、たくさんの方が次男のためを思ってお通夜に来てくれて、次男と会えない事寂しがってるよ
そればかり考えていました。
焼香も全ての方が終わり、喪主の挨拶でした。
私はとても冷静でした。
なぜか次男が近くで見ているような
そんな感覚になっていました。
次男がみんなに伝えたかった事、友達、先生方に言いたかった事、お父さんが話すよ
次男、今まで我慢してきたな
友達もいっぱい泣いてるから
次男も遠慮せず、目一杯泣いてくれ
そんな事考えながら、マイクの前に立ちました