からだの末端、
手、足、耳、皮膚全般などを刺激すると
脳が広範囲で反応するため、
指先を使って描くパステル画は
脳への刺激がとても大きく
脳を活性化することに役立つ。
『ホムンクルスの図』という
脳のどの部分がからだのどこと
つながっているかを示したものがある。
検索してみると
他の箇所と比べて、手と顔、
特に手の指の比率はとても大きいイラストが出てくる。
比率の大きさは
そのまま脳に対応する影響を表すから
手の指を刺激することは
脳に影響するのだ。
一日中座りっぱなしの職人さんや
芸術家に限らず、
旺盛な創作意欲を持っている人は
からだの末端である手足に
意識を向ける時間が多く
長命につながっているようだ。
五感の感覚を研ぎ澄まして
物を創造することは
からだに良いということではないだろうか。
臨床美術のプログラムは
視覚だけでなく、
嗅覚や触覚、味覚、聴覚総動員で
一つの作品を作り上げていく。
オイルパステルを指で握って
画用紙に描くこと、
そんな一見些細なことに思えることの中に
五感をフルに使うようなプログラムがある。
モチーフがりんご🍎の場合だと
りんごの形や色をよく見る👁
りんごの匂いを嗅ぐ👃
りんごの表面に触る✋
りんごを食べてみる👄
りんごの思い出を思い起こす❤️
などなどたくさんの五感で感じてから
ようやくオイルパステルの色を選び、
指で握り、
画用紙に描くことになる。
臨床美術はもともと認知症の方や
その家族向けに始まっている。
認知症の方の多くは
パステルの色選びが難しいそうだ。
それでも五感を使って
りんごを触り
匂いを嗅いで味わって
思い出を話すうちに
りんごの記憶が蘇ってきて
りんごへの感情を思い出すと
りんごを描いてみようという意欲に繋がっていく。
ある耳の聞こえないと思われていた高齢の女性が
臨床美術プログラムの4〜5回目には
耳が聞こえるようになったとか。
いくつになっても
さまざまな出会いで
人は変わるものなのだと思った。
脳は刺激を求めている。
そして、特に手の指を使うことで
刺激をたくさん与えることができる。
くるみを握るとか、
紙をやぶるとか、
いろんな動作も指を使うことには
変わりないけれど。
しかし、その動作を本人が
やりたいと意欲を持ってできたなら
もっと脳に良いのではないだろうか。
制作後も楽しい鑑賞会があり、
心満たされ次への意欲をかきたてられる。
この至福の時間は一度味わうと
クセになる❤️
作品は残り、
部屋に飾ったりして
本人も家族も作品を媒介に
作者の思いがけないセンスや
味わいのある作風に驚き、
今まで知らなかった人となりに
出会える喜びは非常に大きいのだろうと想像している。
高齢となってから
かつての地位や名誉に頼らず、
今の自分を生き生きと生きている人は
少ない。
一つの小さな作品であっても、
それが命いっぱいの自己表現なわけで
その作品を通して、
その人の存在を丸ごと受け止めてもらうことは、
生きることの喜びを実感し、
人生の意味を発見する機会になるのだ。

