トニー・レオンと周迅が主演、イー・トンシンが監督だったので、映画「大魔術師」を観ました。

主演の二人、いまだ男盛り&女盛り。
雲南・昆明に住む日本人の「2級都市」記録-大魔術師2

映画の印象は「タンタン」の大人版といったところで、子供が見ても楽しめる内容。現に子供が結構観に来ていて、みんな笑っていました。その割には130分と長編なのですが…。

『大魔術師』ポスター。
雲南・昆明に住む日本人の「2級都市」記録-大魔術師1

一番感銘を受けたのは、戦前(1920年代後半?)の北京の街の描き方。といっても俯瞰的に描かれるのではなく、庶民の娯楽文化にスポットを当てています。

戦前の北京と言えば、『シュリーマン旅行記』で酷評されていたり、老舎『茶館』での悲劇に終わるストーリーなど、あまりいい印象が残っていなかったのですが、もし実際の北京が『大魔術師』に描かれている都市だったならば、タイムスリップして行きたくなりました。

この映画で描かれた北京が本物に近いものであれ、遠いものであれ、もし現在の中国が中国文明の復興を求めるならば、この映画のような世界を目指すのが妥当だなと思わせました。

『つきせぬ想い』(1993)で香港に根付く大衆民芸を活写したイー・トンシン監督ですが、ここでもそのスピリッツが息づいているようです。


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