本屋に寄ったら、文芸雑誌「大方」の第二号が売っていました。アニー・ベイビー(安妮宝貝)が責任編集していて、広告ゼロの贅沢な雑誌です。

「大方」創刊号と第二号
$雲南・昆明に住む日本人の「2級都市」記録-文芸雑誌「大方」

安妮宝貝は若手作家のひとり。いや、もう中堅か。1990年代末、ネットを通じて作家デビュー。当時は、都市を描く若手女性作家が雨後のタケノコのように出ていた頃ですが、彼女もその一人でした。その中で唯一生き残っている作家のひとりが彼女なのです。

以前は都市に生きる若者をよく描いていましたが、現在はその都会的な感受性はそのままに、様々なものを題材にした作品を発表しています。

創刊号では、ほぼ一冊まるごと村上春樹特集のような内容。加えて冒頭を飾るカラー写真では、3ページにわたって桜の写真が掲載されていました。撮影者は中国人ですが、桜の持つ移ろいやすさ、もろさ、淡さを見事に表現していました。

そして第二号でも日本色が現れていて、竹久夢二の絵がたくさん掲載されているのと同時に、太宰治の「グッドバイ」の翻訳が載っていました。

今をときめく村上春樹を創刊号の特集にするのは分かるとしても、なぜこれほどまでに彼女は「日本」を取り上げるのでしょう?

さよなら、ビビアン/アニー・ベイビー

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