道を極めたデザイナーの意図を、その道に素人のクライアントに伝えるのは至難のわざ。

ましてや文化や国家が違う相手ならなおさら難しい。

かつて、中国の建築デザイナーも同様なことで悩んだのだと思います。
そこで編み出されたのが「風水」なのじゃないでしょうか。

つまり自分の意図とクライアントの意向とうまくすり合わす手段として「風水」を使ったように思うのです。
「風水上、ここは水を配置したほうがいいんですよ」と言われれば、クライアントもなんとなく「そうなんだ」と納得してくれるわけです。


日本トップクラスのホテルインテリアデザイナー・深津泰彦さんは、そのような矛盾解決の手段として「ビジネス」という共通言語を突破口とします。

「なぜこのデザインなの?私はこんなデザインは好きじゃない」

たとえばクライアントにそう言われたとき、深津さんは

「20年以上の経験上、このデザインのほうが儲かるんです」


というわけです。

そう言われちゃうと、クライアントもなんとなく納得してくれるわけですね。
とはいえ、当の深津さんは、なぜか自分が儲けることに対しガツガツしていません。
グッドデザインを通して得られる「空気感」を作り出すこと。
これが深津さんのモチベーションの源泉のようです。

深津さんのHP
http://yazdesign.co.jp/