東京の母はいつしか着物の先生となりました。
著書や雑誌の連載も多くなり、年を追うごとにお忙しい日々。
新しく出版された本は写真も多いそうで楽しみにお宅へ伺いました。
「クリスマスを表現したかった」と聞いて、斬新な柄の着物でも?と思った時、本をめくる手が止まりました。
そこには赤と緑の帯締めが二本、くるりと結ばれた写真。「赤と緑の二色だけでクリスマスを表すなんて」と感心していると
百点を取って自慢げな子供のような表情。
色が与える影響を熟知していた人でした。
また、長女の初節句には、ちょうどいい大きさの菱形の漆器をくださいました。
お雛様や桃の花を飾らなくなった今でも、菱形のお皿で和菓子をいただくだけで雛祭りの気分を味わえます。
形が与える影響も熟知していた人でした。