ロンドンに滞在しているなら、やはりかつては「世界一の百貨店」と評されたハロッズに行かずには帰国できません。

リニューアルしてると聞くとなおさら。

ショーウインドウが素敵でたくさんの人だかりが出来ていましたが、中に入るとそれほど人がいません。

先ずはフードコートへ。日本のデパ地下のような明るさはなく、全体が薄暗く荘厳な空気を漂わせています。肉売り場のそばではステーキが食べられるカウンターがあり、ケーキ売り場のそばにはコーヒーとケーキが頂けます。「イギリスにはおいしい食べ物はない」と言われたのは一昔前の話。白人が座っているだけで絵になるのはどうしてでしょうか。

階が上がるごとに人が少なくなり、「just looking」なんてとても言えない雰囲気。

世界中のブランド品があるといっても過言ではありません。これぞ大英帝国の底力。

しかし、気に入ったものは高くて買えません。「お目が高くて困っちゃう」と心の中で呟きながらアフタヌーンティーへ。「イギリスにはおいしいものがない」と言われたのは一昔前の話。今はイタリアからの移民を中心においしいレストランがたくさんあります。ハロッズのアフタヌーンティーも有名なので楽しみです。

一人なのに広めのテーブルに案内されました。隣のテーブルには私とそう変わらない年齢の女性が座っています。グレーのパンツにオフホワイトのセーター、そして目を引く大きな赤い石のリング、ピアスもお揃いです。セーターの袖から銀色のブレスレットが何連かのぞいています。

海外にいるといつも驚くのですが、日本ではパーティでしか見かけないようなジュエリーをさりげなく普段に身に着けています。私も気後れしないようにお洒落をしてきたつもりでしたが、レベルが違います。

「ルビーにしては透明度が高いな」とじっと見ていると目が合ってしまいました。彼女がこちらのテーブルにやってきます。「私も一人だからこちらに来てもいいか」という趣旨の英語が聞こえてきます。「Yes」と言ったものの、それほど英会話に自信があるわけではありません。

「日本人ですか?私はアメリカ人」とゆっくりした口調で話しかけてくれました。

お互いに旅行客。ガラス工芸を趣味でやっているという話になりました。私が「何年か前ラスベガスのワークショップに参加した」と言うと彼女が膝を打って、「あなたに会ったことがある」実は彼女も同じワークショップに参加していたのです。映画館が四つもある大きなホテルを貸し切って、座学、実技、材料の販売まで魅力的なガラスの祭典でした。日本人というかアジア人は私だけだったので印象に残っていて、「もしかして」と声をかけてくれたのだそうです。

なんて世界は狭いのだろう。こんな偶然があるなんて「あなたが男性なら恋に落ちてたわ」プラチナブロンドの髪をかき上げる彼女がとてもチャーミングでした。