宝石の仕事にとって、石を見る目はもちろんですが、人を見る目もとても大事です。

信用に値する人物かを短い時間で判断しなければなりません。

扱う品が高額なことも多い業界なので、修理に出したら職人さんが商品を持ったまま消えた、とかいった話はよく聞きます。

海外の展示会に一人でやってきた日本人に、「帰国してから振り込んでくれればいいから」と百万円近いダイヤのルースを渡してくれる

赤毛の社長。彼は、手作りの名刺を出した私の、どこを見て信用してくれたのだろうと不思議に思うことも。

父はよく「お前は人に恵まれる運だけは持ってるから心配ない。」と言っていました。

確かに家族、友人、仲間、恩師に恵まれてきました。

実は社交的ではない私。一人でいるのも好きです。

何らとりえのない私にどうしてみんなこんなに良くしてくれるんだろう?。

数は少ないけれど「あなたの夢がかなうことを私の夢にする」と言ってくれた友人

無理難題をいう私に嫌な顔一つせず、いつも何とかしてくれる仕事仲間。子供のころ通っていた絵画教室の先生は、毎年お誕生日にはすみれの花の砂糖漬が乗ったケーキを届けてくれました。10年間も!。母を亡くした私に「元気な時はいいから。いやなことがあったら来なさい。」と微笑む友達の母。前にもお話したベルギーのフィリップ先生や染色家の東京の母は言うまでもありません。

顧客の皆様から教えていただくことも多く、私は売り上げというより寄附だと思うことがあります。返礼品としてジュエリーが贈られるという感覚です。

前世ではよほどいいことをしたのでしょう。夜逃げ同然でインドに帰ってしまった、ダイヤの卸業者さんは支払いを皆踏み倒したと聞きました。でも、私には振り込みがありました。なぜなのか今でもわかりません。