家の片づけをしていたら、古い日傘が出てきました。

高校生のころ病気になり、日光に当たって血行が良くなるのはドクターストップでした。

そこで日傘をさして登校。それも「これしかない」と母に言われた真っ赤な日傘。

母は日本人特有の「みんなと同じなら安心」という感覚のない人です。

小学生の時も母が用意してくれたのはモスグリーンの横長のランドセル。イギリス製。

クラスの生徒は皆、女子は赤、男子は黒のランドセル。そういう時代でした。

「やーい、みどり、みどり」当然男子生徒からからかわれました。

家に帰って「こんなのいやだ!」と言おうとしたら、「みんなそのランドセルうらやましがったでしょう。そんないいの持ってる子いなかったでしょう」と鼻高々。私は何も言えず六年間背負い続けました。

今度は赤です。

私が通っていた高校は校則が厳しく制服はもちろん、ソックスの長さまで決められていました。

即日担任の先生に呼び出されました。事情を話したら理解を示して下さいました。「もう少し地味な傘があったらよかったね」

全くおっしゃる通りです。

職員室にはもう一人呼び出された生徒がいました。彼女はいつも金のバングルをしていました。

「注意された?」「中国人だからって言ったら許された」

「中国人ってみんなバングルしてるの?」「そうでもないけど」

兎に角私達は何故だか学校公認となり、それからも私は赤い日傘をさして登校しましたし、彼女は金のバングルを卒業までしていました。

今思えば、生徒一人一人と向き合って、個性を認めてくれたいい学校だったなと振り返ります。

私と彼女は今でもあの頃のまま、変わらぬ友人関係を続けています。

バングルとブレスレットはどちらも手首の装身具ですが、違いは留め金のあるなしです。

「自分で留められない」とか「落としそう」などの理由で嫌厭されがちですが、ファッションの仕上げを左右する重要なアイテムだと私は思っています。