特別追加試合
竹田光珠 vs ジャンボリー・バーブリッジ


急きょ決まった試合とあって両者共に気合い入りまくりである。
リーは竹田の筋肉美に対抗するため自らをパンプアップさせ誇示する。


しかし開始数分でリーが叫んだ言葉で私は意外な事実を知った。

“キャッチ・アズ・キャッチ・キャン”

これはイギリスで由緒あるキャッチレスリングで使われている代表的な言葉。
イギリス人だからもしやとは思っていたが、やはりリー選手はキャッチレスリングの使い手の選手だった。


キャッチレスリングがどういうものかと簡単に説明すると新日本プロレスで言うストロングスタイルのようなイギリスの代表的なレスリングスタイルの名称で、源流をたどれば古代レスリングまで遡るようだが、後にビリー・ライレーという人が礎を築いた「スネーク・ピット・ジム」から現在のキャッチレスリングの基本ができて、別の言い方をすればシュートレスリングとかランカシャースタイルとも言われたりもする。

このジムから出た著名な選手がカール・ゴッチやビル・ロビンソンであり、特に日本のレスリングに大きな影響を与えた。
近年活躍したキャッチレスリングの選手だとWWEで活躍したウィリアム・リーガルやUFCで活躍したジョシュ・バーネット。全日本の90年代に活躍したジョニー・スミス、そして最近の選手ではザック・セイバーJr.などである。

上の写真のようにバックを取られても足を使ってクラッチを切り、取り返す手法もキャッチレスリングに見られる独特なものだ。
しかしまさかおっこんでキャッチレスリングが見られることになろうとは(笑)。


ただ昔のイギリスならばキャッチレスリングの選手も多くはいたが、現在のイギリスマットはPPVが発達したWWEの影響を受けて普通のアメリカンプロレスとあまり変わらなくなってきており、キャッチレスリングを正式に引き継いでる選手はだんだん減少してるのではと聞いたことがある。
キャッチレスリングは以前藤波辰爾や西村修がやっていた無我のレスリングに似た部分もあるので地味な部分は日本人には受けるかもしれないが諸外国の人にはあまりウケが良くないからレスリングのWWE化が進んだかもしれない。

しかしこうして目の前に実際にキャッチを出来る選手がいるのはある意味本当に貴重。
実際竹田がこうしてレスリングで手合わせ出来るのはすごくいい貴重な経験である。
途中でリーがヨーロピアンエルボーを出すまで打撃の類いは一切なかった。


ただリー選手自体はキャッチに限らず自分が出来そうなことは何でもやりそうなフランクなタイプのようでマットプロレスの雰囲気を掴むのも早く、ちゃんとお客様の反応もわかっている。

それでいて技術も確実。
単純なベアハッグでもグリップの握り方がレスリング的である。


だが途中で竹田がブレーンバスターを放った後で後ろに座っていた外国人と接触したので、その外国人が手を出してきたかと思えば合体攻撃!!

実は試合を見ていた彼もJames Duckworthという、やはりキャッチレスリングの選手の人のようで、かつては昔みちのくプロレスに来日したキャッチレスリングの名人ジョニー・セイントとも対戦したことがあるらしい。


竹田も絶好のチャンスに奮闘したが、最後はラリアットからタワーブリッジでリー選手の勝ち。
しかし貴重この上ない試合がまさかおっこんのマットプロレスで見れるとはいやいや感動モノであった。


実際はリー選手、日常会話なら問題ないくらいに日本語も堪能であり、その後のアフターパーティーでもキャッチレスリングについてを私が多少知っていたのでいろいろ技術論も聞くことが出来た。 
リー選手によればある部分キャッチではジェームス選手の方が優秀らしくイギリスの三本の指に入るほどだとか。  


またリー選手とジェームス選手は翌朝に帰国するという話なので、試合後には同じ666の忍さんや怨霊さんも訪ねてきていろんな話をした。
特にキャッチレスリングについては業界の人か一部のマニアな人しか知らないので私もそこまで詳しくないし実際こんな近くで実感したのは初めてだった。だからすごく有意義な時間を過ごせたのである。


その他にもあきば栞選手がベルトや前日にシークレットベースで被ったマスクを持ってきてたりいろいろと楽しい話が出来たので、その後に夜勤に行くのはちょっと辛かった。
でも面白かったのです。

ただ10/1のおっこんではくいしんぼう仮面選手が不在なのです。
一体誰が仕切るのでしょうか?
その次の10/15は葛西純選手とレザーフェイス!!
もう恐怖の予感しかありません(笑)。