ミスター雁之助 vs ヤス・ウラノ




試合前ウラノがガッツワールドのセコンド陣を言いくるめ自分のセコンドに誘導する。
これは明らかに心理作戦だが、明らかに変な配置に雁之助もガッツ側も変だとわかり元のセコンドに戻る。
だが将太だけは欠場プロレス仲間ということで丸山と共にウラノ側についた。



しかし何人セコンドがつこうが、やるのは本人たちなのでセコンドの有無はあまり意味をなさないと思ったが、今回ウラノは雁之助の耳元で叫んだり、必要以上に丸山や将太のアドバイスを聞くなど普段以上にイレギュラーな行動を取ってきた。



だがどんなに奇策を練ろうとやるのは本人同士。
動いていればどこかにまぐれ当たりもあろうがグラウンドならば経験の蓄積がモノをいう。
ミスター雁之助のレスリングとまともにやり合ったらウラノには分が悪い。
それだけに正攻法以外の策を織り混ぜないと雁之助に勝つのは厳しいか?

キーロックを仕掛けたが、脇腹を引っ掻いて脱出するウラノ。
そんな返し方あるかと半ば呆れ気味の雁之助だが、集中力を乱さず腕を狙っていく。



どうにか雁之助の気を削ごうとウラノはセコンドの二人をフルに囮に使い攪乱する。
雁之助を狙うなら首、足、あるいは骨折があった脇腹だが、やはり狙いやすいとこで足を狙ってきた。
時にはレフェリーをも巻き込んで技を仕掛けていく。



左足にダメージの雁之助。
約20分が過ぎたが流れはフィニッシュにまだ遠い。
少し攻め方を変え、蹴りながら逆十字狙いとグラウンドに加えラフにも出た。
そうなると出てくるのがジャンピングアームブリーカー。
全体重をかけていくのでこれなら相手に勢いを殺されにくい。



しかし追撃でウラノはレフェリーのバーブを盾にし、延髄蹴り。
奇策の連発で攻めるが雁之助はバックドロップ。
油断があった。




しかし試合時間は25分を経過。
過去に35分を戦ったことのある二人だが、この試合は30分1本勝負のため長い勝負はできない。
残り5分では嫌でも決めに行かなくては。



ウラノの逆さ押さえ込みに対して雁之助は雁之助クラッチ。
先ほど宮本がファイヤーサンダーをフィニッシュに使ってしまったので使いづらいが、まだ念仏パワーボムが残っていた。
しかしこれもカウント2。





時間がないからもう手段を選んでいられない。
雁之助は切り札ファイヤーサンダーを慣行。 ガッチリと食らわしフォールに入ったが…。

ファイヤーサンダーを食らってのびていると思われたウラノがフォールに入られた瞬間体勢をひっくり返してカウント3!!
なんと試合終了間際の土壇場の大逆転。
ファイヤーサンダーを決めた直後だったから確かに完全に油断はあったが、まさかあの状況での逆転など考えもしなかっただけに裏をかかれた。

負けに信じられない雁之助はバーブに詰め寄るが、これは当然覆らない。
攪乱はされたが試合の半分以上は雁之助がモノにしていたためにこの日一番のどんでん返しに我々もしてやられた。

しかもウラノがマイクでチクチク雁之助の痛いところをついてくるだけに余計腹立たしいとこだが、今日は言い返せない雁之助の完敗である。
雁之助は後から乱入してきたハダカラスの桶を蹴っ飛ばしウサを晴らしていた(笑)。





今回の鬼神道は初めて全試合シングルという試みだったが、十分満足感はあった。
ハズレ的なカードはどれもなかったのとどの試合も色がそれぞれ違っていた。
強いて言えば岸和田とバッファローの暴れ方が似てたくらいだが、気にするほどでもなかった。

帰りに雁之助さんが言うには。

「今回の日取りが三連休の直後だったって俺知らなかったんだよ。
普通なら正月明けて三連休直後で一般的にはみんなお金使い果たしてるから一番来づらい日じゃん。
その割にはお客さんけっこう来てくれたよなあ!!」

確かにその通り。
あまり気に止めてなかったが平日夜でも普段と変わらないだけのお客さんが見に来ていた。
それだけ鬼神道のブランドの信頼が定着している証拠だろう。

しかしそれと同時にハダカラスも定着してしまった。
それが唯一の悩み事でもあるのだ(笑)。