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学会会場となったポワティエ大学

ECSS@マルメに引き続き,International Society of Biomenchanics in Sport(ISBS)に参加するために,フランス中部の都市,Poitiers(ポワティエ)を訪れた.

 フランス語の面白いというか,難しいところは,アルファベットの綴りと発音との関係性が,英語と全く異なっているところで,日本人にはどうしてこんな読み方になるのと,首をかしげることばかり.Poitiersにしたって,普通に読めば,ポイティアーズであり,ポワティエとは発音しないだろう.さらに鼻に抜けるような独特の発音もあり,日本人にとってはハードルの高い言語である.

 私が若かりし頃,フランスを訪れると,ほとんど英語が通じなくて往生したが,それに比べると,格段に英語の通用度が上がり,切符を買ったり,レストランで注文したりするのに,ほとんど困らなくなったのは,私にとっては有難い.

 今回もポワティエ滞在中にいろいろハプニングが起こったので,もし英語が通じていなかったら,かなり難儀をしたに違いない.

 ISBSは毎年開催されているが,おそらく最も参加者の多かった国は,御多分にもれず,日本であろう.そして,その日本の中でも最大規模を誇るデレゲーションは,筑波大学御一行様に違いない.

 延べ参加者人数は500名を超え,各種スポーツの動作分析やシューズなどの用具開発,あるいは身体運動のセンシング技術やコンピューターシミュレーションなどなど,発表は多岐にわたり,興味深い演題が多かった.

 特に私の分野に近いところでは,水泳に関するApplied sessionが,ポワティエ大学工学部の流体実験棟で行われ,大変興味を持ったとともに危機感も抱いた.

 というのも,そこで発表された内容が,今我々がまさに展開しつつある研究課題と非常に類似しており,「おんなじこと考えているじゃん!」というのが素直な感想.

 負け惜しみではないが,現状,我々のほうが先行していると思うが,うかうかしていると,抜かれかねない.研究もある面競争であり,同じ結果を得たとしても,先行者利得があり,早い者勝ちなのである.

 そういう意味では,一刻も早く成果を上げ,ちゃんと一流国際ジャーナルに掲載されるべく,研究スピードを上げる必要を痛感した.

 その他の発表において,多くの日本人大学院生はPoster sessionでの発表を行ったが,ECSSでのe-Posterとは異なり,2分程度の口頭発表(質疑応答なし)をした上で,ちゃんとポスターを貼って,指定された時間帯にポスターの前に立って,ディスカッションをする形式であった.

 この形式だと,2分とは言え,ちゃんと英語でのプレゼンがあり,しかも質疑応答はないので演壇上で立ち往生する心配はなく,もし質問があれば,ポスターの前でほぼフェイス・ツー・フェイスで話ができるので,英語が苦手な日本人にとってはうってつけの発表方法と言える.

 実際発表した大学院生は,1対1でじっくりやりとりすれば,質問の意味もわかるし,自分の意図もある程度伝えられたとしており,ファーストステップとしては,良いと思う.

 しかし,いつまでもポスター発表ばかりでは,進歩がない.ぜひOral sessionで堂々と発表と質疑応答をこなし,学会賞を受賞する日本人若手研究者が登場してほしいものである.

 そしてなにより,来年はこの学会を筑波大学で開催することになっている.
 
 世界のスポーツ科学研究者にTSUKUBAを認知してもらうまたとないチャンスなので,学会運営はもとより,質の高い研究発表を行って,日本のバイオメカニクス研究のレベルの高さをアピールしたいものだ.

 それには,やはり英語力を高めることが必須であり,大学院生たちには,具体的な良い目標ができたと思って,ぜひ頑張ってほしい.