5カ月とごく短い期間ではあったが、エジンバラ大学に留学できたことは、
私にとって大変有意義であった。
 
 エジンバラ大学は、1583年に設立された長い伝統と高い格式を誇る大学で、
チャールズ・ダーウィン(進化論提唱者)やアーサー・コナン・ドイル(シャーロック・ホームズ著者)など
世界的に著名な人材を輩出し、現在も世界の大学ランキング20位以内にランクする名門大学である。
 
 私は、そのエジンバラ大学の教育学部(Moray House School of Education)内にある
Institute for Sport, Physical Education & Health Sciences にVisiting Scholarという身分で籍をおき、
Ross Sanders教授のもとで研究活動に取り組んだ。
 
 研究活動といっても、5カ月という短い期間では、十分な実験も行うことができないので、
Sanders教授のもとで学ぶ博士課程の学生と机を並べて、もっぱら論文作成に多くの時間を費やした。
 
 その博士課程の学生の中には、筑波大学出身で、私の教え子でもある言上智洋君が含まれ、
エジンバラ滞在中は、いわば同じ釜の飯を食う研究仲間として、博士課程の学生と和気あいあい、
たいへん楽しい時間を過ごすことができた。
 
 
 で、気になる留学の成果であるが、滞在中に原著論文を3本(和文1本、英文2本)、総説を1本、
学術図書を2章分執筆し、それに加えて海外研究雑誌の査読を2本こなしたので、
自画自賛とはまさにこのことだろうが、まずまずの成果と言えるのではないだろうか?
 
 とにかく、日本にいる時は、授業と水球のコーチングに多くの時間を費やさるを得ず、
研究に関しては、どんどんデータは溜まるのだが、論文としてアウトプットする時間がなく、
「なんとかしなきゃ」という思いが募る一方で、 フラストレーションが溜まっていた。
 
 そんな私にとって、今回の留学は、「干天の慈雨」であり、
今までやりたくてもできなかった事ができる貴重な機会となったのである。
 
 一方、論文を書く以外に、今回の留学の重要な目的として、英語力のアップを目論んでいた。
 
 しかし、こちらの方は、どうも「上達した」という確信は持てず、半信半疑と言ったところだろうか?
 
 無論、私なりには努力し、英語上達のためのハウツーはすべて試した。
 
 さらに、自分の専門以外の医学やビジネス、はたまた法学の公開セミナーにも参加し、
耳の訓練をしたつもりだが、残念ながら、「これだ!」という手ごたえが得られていないのが実態である。
 
 
 やはり50歳という年齢は、語学学習には、ちと厳しいのだろうか、、、
 
 いやいや、イチロウだって、伊達公子だって、40歳を超えてもなお、上達しているではないか、、、
 
 「諦めるから、夢は叶わない」のだというのが持論なだけに、たいへん悔しい思いをしているのだが、
英語力アップに関しては、今後も引き続き努力をしていく他ないだろう。