学内某所に何やら曰くありげな,「立入禁止」の看板が掲げられており,
どうしても気になったので,お咎めを受けない範囲で調べてみました.
実はこの場所,古参の水泳部関係者には大変なじみの深い,
平砂プールがあった場所なのです.
私が入学する前には,屋内プールは無く,
先輩たちは,この25m屋外平砂プールで練習をしていたのです.

屋内プール完成後も暫くは一般学生向けの公開プールとして開放されたりしていましたが,
管理が大変と言うことで,私が3年生あたりの時に閉鎖され,
以来ずっとほったらかしで,雑草が生い茂り,廃屋状態になっていました.

それが昨年の秋あたりから,工事が始まり,更衣室などが撤去され,
新たにプールを覆う屋根が設置されたのです.
えっ!これってプールに屋根を付けて,温水プールにして再利用するのかな?
と思って工事の成り行きを見守っていました.
でも,プールとして使うなら,水泳関係の施設管理責任者である私が知らないはずはないし???
それにプールにしちゃ~屋根が低すぎるだろうと不思議に思っていたのです.
それが最近筑波大学新聞の記事を読んで,
ようやく何の施設なのか分かりました.
この施設,筑波大学環境・生命多様性研究室の渡邉信先生とDICという企業が組んで
藻類由来のバイオ燃料の実用化に向けた共同研究施設なんだそうです.
なんでも、「ボトリオコッカス」という藻類は,自分の細胞内で油を作り,
その油を細胞外に出す特徴があるそうで,この藻類を大量に培養して,
うまく油を取り出すことができれば,日本が有数の産油国になれるかもしれないという
夢の藻類なんだそうです.
水泳部の先輩たちはずいぶんこの平砂プールで絞られ,汗をかいたでしょうが,
今は人間ではなく,藻がたらりたらりと油を出しているのかと思うと,なんか不思議な感じです.