菅首相が今夜訪米してバイデン大統領と会談することになりますが、国内メディアの多くは『米中関係の悪化が懸念される』など、まるで他人ごとのような報道に終始しています。中国の香港やウイグルへの人権弾圧や台湾への不当な圧力は最早周知の事実であり、ロシア大統領が反対勢力代表を殺害しようとしたことも先進国のほとんどが厳しく非難しています。分断していると言われている米国の民主党と共和党でさえ、この問題については一致協力しているのです。それでもまだ日本では中国に肩入れする勢力が少なくないことには、本当に驚かされます。
申し上げるまでもなく、我々日本人が当たり前のように過ごす平穏な日常のほとんどは、基本的人権が尊重されているからこそです。ただ欧米先進国のように血を流して獲得した苦難の歴史がなく、太平洋戦争敗戦により米国から与えられたものだけに、どうもその有り難みについて鈍感なように思います。確かに受け身だったかもしれませんが、そこに至るまでに数百万人の戦争犠牲者の存在があったことを忘れてはなりません。ですからはっきり申し上げますが、人権無視・法の無視・自由軽視の勢力に対して明確に反対する立場を取らなければならないのです。もちろん当該国を滅ぼせということではありません。それらの国にも必ず心ある賢い人たちが存在しますので、内と外の両面から変えて行くということです。そうすれば経済的な痛手も最小限に留めることが出来るでしょう。