人「あーあー、彼女に振られたし、大学の留年も決まって親に見捨てられたし、もう生きていく自信ない・・・いっそう死んで楽になりたい」
ミーーンミンミンミンミーーーーン・・・・ヒヒヒィ
人「セミかぁ、もうそんな季節になったんだなぁ」
ミーンミンミンミンミィィィーーーン・・・・・ヒヒヒヒヒィィィ
人「なんやこのセミ、なんで最後のほう笑ってんだ」
ミンミン・・・ヒッヒッヒ
人「気持ちわるっ!まあいいや、ちゃちゃっと首吊って死んじゃおう」
???「簡単に死んだらいかんよ」
人「誰だ?」
???「ココやココ、最後のほう笑ってしまうセミや」
人「うわ、なんでお前しゃべれるんだ」
セミ「知らん、なんとなく」
人「なんでなんとなくなんだよ!」
セミ「そんなことより、なんで死のうとしてんだよ」
人「この世で大切なものを全て失ったし、生きてても仕方ないからな」
セミ「そうか、しょせん もの を失っただけやろ。新しいのを探せや」
人「そんな簡単に言えるもんじゃねーよ、セミごときが俺の気持ちわかるかよ」
セミ「逆にお前たち人間に聞く。お前たちはセミの俺たちの気持ちを考えたことがあるか」
人「考えたことないわ、たかが虫だし気持ち悪いし」
セミ「そうか、俺たちの寿命いくつか知ってるか?」
人「1週間でしょ」
セミ「・・・そう、1週間なんだよ。どんだけ生きたくても、1週間しか生きれないんや」
人「だからなんだよ」
セミ「君いくつなの?」
人「19」
セミ「はぁ?たかが19で死のうとしてんのかよ。セミにしちゃ、生まれて2日目くらいだぞ、青春真っ只中じゃねーか!」
人「セミに例えんなよ気持ち悪い」
セミ「俺何日目やと思う?」
人「知らんわぁ興味ない」
セミ「今日死ぬ」
人「そうか、おめでとう」
セミ「なにがおめでとうだ!まだわからんのか!!俺たちセミは全力で生きてんだ!生まれてすぐ赤ちゃんみたいに大きな声で鳴いて、周りの仲間は日に日に死んでいくけど、それをバネにたっくさん鳴くんだ!!一生に一つしかない命で、懸命に鳴くんだ!」
人「・・・・・」
セミ「たまに壁にぶつかってひっくり返って動けない状態が続く。これはな、セミにとって重大な試練なんだ」
人「ああ、死んでると思って近づいたらいきなり動き出して、驚かされたことあったわ」
セミ「アレはな、君たち人間に助けを求めてるんだよ。けどみんな逃げていく。でもな、俺たちはあんな絶体絶命な状態でも、体を上手く使って元に戻ることもあるんだ!最後まで諦めちゃいけないんだよ」
人「・・・そうか」
セミ「だから、簡単に死のうと思わないで。今が人生で最大の試練かもしれない。だけど最後まで諦めないでほしいんだ。君たち人間にとって、俺たちの寿命はたかが1週間かもしれないが、かけがえのない1週間なんや」
人「・・・・うん、ありがとう。なんか申し訳ない、俺、頑張るよ!!!」
セミ「それでイイ!」
ミーーーンミンミンミンミンミンミーーーン!!!!
ツクツクホウシツクツクホウシツクツクホウシ!!!
人「なんだなんだ?」
セミ「俺の仲間が応援してる。頑張れよ!」
人「あ・・・ありがとう!!!!」
セミ「あのな、俺たちセミの寿命は本当は3週間~1ヶ月なんやで?」
人「へ?」
セミ「天敵に襲われたらもっと短くなるけど、基本3週間~1ヶ月は生きる。俺たちってさ、ムダに大きな声で鳴くじゃん?やっぱ俺たち異性に飢えてるから、ああでもしないと異性と交尾できないんだよ。だけどまあ、だいたいのやつらはすぐに交尾をして、子孫を残す。子孫ができたら長生きする必要なんてなくてさww1回子孫を残せば人生満喫したようなもんだもんww」
人「・・・・聞きたくなかったあああああああ!!!!」