【商標】大阪地判令和6年(ワ)5007『あわ恋いちご』<松川裁判長>
本件商標:『恋 苺』
被告標章:『あわ恋いちご』
①結合商標の類否判断(分離観察の可否と要部の認定)
被告標章「あわ恋いちご」の「あわ」部分は、「泡、粟、安房、阿波」等多義的であるが、被告各商品のパッケージには「徳島県産」の文字や阿波踊りのイラスト等が目立つ態様で付されている。
このような取引の実情に照らせば、需要者は「あわ」を地域名称である「阿波」と認識し、産地表示として受け取るため、同部分は識別力を有しない。
⇒被告標章から「恋いちご」部分を抽出し、本件商標「恋苺」と比較検討することが許される。
②本件商標と被告標章の類似性
分離された被告標章の「恋いちご」部分と本件商標「恋苺」を対比すると、外観は異なるものの、称呼はいずれも「コイイチゴ」であり同一である。
観念においても、共に「恋」と「いちご」を組み合わせた造語として、恋愛のように強く惹かれるいちごという同一の観念が生じる。
被告は、「あわ恋」部分が「淡い恋」を意味し不可分である旨を主張したが、事実関係に基づき、否定された。
⇒類似、誤認混同のおそれあり
③登録商標使用の抗弁
先行登録商標と類似し、需要者に誤認混同を生じさせる態様での標章使用は、商標法の目的及び趣旨に照らし、たとえ登録商標の使用であっても権利濫用に当たり、抗弁として成立しないと判示した。
Cf. 控訴審・令和8年2月13日大阪高裁(令和7年(ネ)第1750号)で覆された。
https://www.courts.go.jp/assets/hanrei//hanrei-pdf-94495.pdf
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