不安で眠れぬ夜を過ごしている方もたくさんいると思います。
僕もずっと家でテレビのニュースを見ていたら、不安と緊張で背中が痛くなってきちゃいました。
不安だったり、怖かったり、絶望的な気分になった時、いつも僕を助けてくれたのは音楽です。自分の気持ちを紛らわせるためにもちょっとだけ「R&R Diary番外編」を書いてみようと思います。これを見て少しでも気持ちが和らぐ方がいてくれたらと思います。

先日大阪城ホールで見た佐野元春さんの30周年アニバーサリーライブは、本当に素晴らしいコンサートでした。残念ながらこの週末に行われる予定だった東京公演は延期されてしまったようですが、いけなかった方への気持ちを込めてこの曲を。
誰でも一度は通り過ぎる、若くて不満ばかりで、世の中の大人や社会や常識なんてもの全てが汚れて見えた時期。そりゃカッコ良く響いたはずです。
でも、自分が40歳になった今でも、こんなに色褪せないのはなぜなんだろうか。
それは、この曲には先の見えない未来に対する不安と希望が、ずっと消えることなく同居しているからだと思います。
僕たちの未来は相変わらずわからないままだし、「someday」はやってくるのかどうかもわからない。そんな「いつか」を信じ続けることはとても大変だけど、今の僕たちはやみくもに何かを信じてみることも必要なんじゃないかと思います。「someday」はいつかきっとくるのです。





地震でひっくり返ったレコード棚の中から、どこにしまい込んだのかわからなくなって来たキャロル・キングのDVDが出て来ました。なんだ、ここにいたのね。
そういえば、ジェームス・テイラーと当時のセッションメンバーとの「トルヴァドール・リユニオン」のライブは最高でした。あの時のライブの「You've got a friend」は、まさに長年の友情を体現したような演奏。
「つらいとき、かなしいとき、君には友達がいる」というシンプルな曲ですが、ただそれだけのことがなかなか言えない僕たちがいることもたしかです。仲間さえいれば、人生なんとかなるもんです。これから友達には「俺はお前の友達だ」とちゃんと言うことにしようと思います(違うと言われても気にしないことにします)。




ビートルズの超有名曲、「ヘイ・ジュード」。知っている人も多いと思いますが、実はこの曲、ジョン・レノンの息子ジュリアンに向けてポールが書いた曲なんです。ジョンが離婚する時、まだ幼かったジュリアンへの贈り物。
両親の離婚は幼い子供にとっては相当な苦難であることを思ったポールがプレゼントしたしたこの曲は、傷ついた人々の心に、ずっと癒しと希望を与え続けてきたはずです。
今、日本中にいるたくさんのジュリアンに向けてポールが歌っていると想像してみたら、今までよりもさらにいい曲に聴こえて来ました。





そしてサイモン&ガーファンクルの「明日に掛ける橋」。正直に言うと、子供のころは大げさな曲だなあ、くらいにしか思っていなかったんですが、こんな夜に聴くと、この曲がなぜ彼らの最大のヒット曲になったのかが、何となく理解出来る気がします。
理屈も知識も、音楽にはいらない。今、この時間を安らかな気分で過ごすための助けになって欲しい。
そんな気持ちを叶えてくれる懐の大きな曲です。


大変な夜、どうか音楽がみんなの心を繋ぐ架け橋になってくれたらと思います。

一人でも多くの人が無事でありますように。