1月ももう半ば、すっかりお正月は忘却の彼方へ旅立ってしまいましたが、お雑煮を食べ過ぎたのでまだしばらくお餅を食べる気にはなりません。今日はまた鍋焼きうどんを作りました。

今年の初イベントは伊藤銀次さんの「話し出したら止まらナイト」へのゲスト参加でした。今回はフォーク・ロックについて話しまくる「銀流フォーク・ロック伝」でしたが、本当に話し出したら止まらない!音楽評論家や研究者の視点とはまた違う、ミュージシャンならではのかゆいところに手が届く、楽しくて勉強になった一夜でした。

フォーク・ロックになくてはならないリッケンバッカーの12弦の音色を、目の前でお客さんに聴いてもらいたい、という銀次さんの要望でちょっとだけ演奏させてもらいましたが、なんとお客さんの中には僕が生まれる前から12弦ギターを日本中に響かせていた、ヴィレッジ・シンガーズの小松久さんがいたりしてドキドキしました。そして終演後に小松さんと12弦談義も。弦の張り替えがあまりに面倒で、初めてやった時は丸一日かかったという話など、使っている人にしかわからない話が出来て楽しかったです。

この日の銀次さんの話の中で面白かった言葉。

「ビートルズを始め、バンドというのは鍋焼きうどんである」

いろんな個性がひとつのグループの中にあるからこそ生まれる魅力があるわけで、その後きつねやたぬきなど、各自がそれぞれにおいしい物を生んだとしても、もはやそれは鍋焼きうどんではなくなってしまう。そして多くの場合、僕たちは鍋焼きうどんが好きだったことに後になって気がつく、とのこと。
なんとわかりやすい表現なんだろうかと、思わず膝を打ちました。
やっぱりジョンはエビ天、ポールは卵かなあ、などと考えていたらどうしても鍋焼きうどんが食べたくなり、家に帰ってから土鍋を出して鍋焼きうどんを作ってしまいました。
そして、食べ終わった後、鍋焼きうどんを鍋焼きうどんたらしめている最も重要なものに気がつきました。それは「鍋」です。同じ具材が入っていても、やはり土鍋があってこそ鍋焼き。そう、リンゴ・スターの存在はきっと「鍋」なんじゃないかと。そして、ジョージはまさに「うどん」そのものなのではないか、と。具材ではなく、器そのものが個性であるという点で、やはりビートルズの4人は別々には考えられないバンドだったというのは、まさに鍋焼きうどんに通じるものがあります。

そんなことを考えながらうどんを食べてる人がどのくらいいるのかわかりませんが、要するに面白かったんです。

我が家のリンゴ
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そして次のライブの予定ももうすぐ発表します!待て、次号!