8日のイベントに来てくれたみなさん、ありがとうございました!
この日はジョン・レノンの命日。街のあちこちでそんなイベントが行われている中、僕たちを聴きに来てくれたお客さんに感謝しています。
この日のuncle-jamは銀次さんと僕の中での「ジョン感」を感じる選曲で何かカバーをしようと考えて、選んだのは「恋する二人」と「Yes It Is」。
「Yes It Is」はシングルのカップリング曲であり、ビートルズの曲の中ではそんなに有名じゃないかもしれませんが、愛と平和のイメージで語られるジョンとはまたひと味違う、男心にぐっとくる実に味わい深い曲なのです。
銀次さんに相談したら、なんと銀次さんも思い入れのある大好きな曲だとのこと。うれしくなって二人でハーモニーをつけ、ジョンとポールになったような気分で演奏しました。
その選曲に喜んでくれたお客さんもいたのがうれしかったです。街にはいろんな音楽が溢れていますが、そのどれもが人の心の中に留まる時間をどんどん減らしているように感じる昨今、ひとりでも同じような気持ちを共有してくれる人がいることが、ミュージシャンにとってどんなにうれしいことか。

uncle-jamをスタートしてから、僕たちのまわりにはまるで魔法にかかったようににいろんな出会いや再会が訪れています。それは仕事として裏側を走り回っている時期とはまた違うもの。最近のそんな人たちをまとめてご紹介します!

8日に共演したラブハンドルズ、バーケンズ、そして馬淵英将くんもそれぞれに個性豊かな素晴らしいアーティストでした。
ラブハンドルズは以前何度かライブを見たことがあって、ソウルっぽい雰囲気と洗練されたポップ感覚が同居しているとてもセンスのいいバンドだった記憶があったのですが、その印象は全く変わっていなくて素敵でした。作曲、アレンジ、プロデュース、エンジニアなどなんでもこなすマルチプレイヤーのギタリスト、溝下くんと打ち上げでかなり盛り上がり、彼はお笑いにも相当なこだわりがあることが判明。さりげなくスパイスを効かせたサウンドメイキングは彼の仕事と読みました。
サポートでパーカッションを叩いていたスガノツナヨシくんとは、なんと「かもめ児童合唱団」などでもお世話になっている菅原弘明さんとのイベントで以前共演していたことが判明。思わぬところでの再会でした。




バーゲンズはかなり前から知っている男女ユニット。ブリティッシュ風味のひねくれポップは独特の匂いがあって、そういう匂いをつい嗅ぎ分けてしまう音楽好きにはきっと気に入るはず。ビートルズ、クイーン、XTCやスクイーズみたいなバンドが好きなんだろうと予測していたんですが、打ち上げで話したら見事に的中!そりゃわかりますよ。ぷんぷんそんな匂いがしますから。



この日の裏主役、「マブジョン」という愛称を持つ馬淵くんは、シルヴァー・ビーツというビートルズのカバーバンドでジョン役をやっていた人なんですが、そのあまりにもジョンな容姿に全員がびっくり。もちろんビートルズやジョンの曲に関しては完璧に把握していて、本番前日のリハーサルで会った瞬間に「Nowhere man」を一緒に歌っていました。挨拶もしてないのにお互いに一瞬で心が通うというのはやはり音楽ならではのマジックです。こりゃビートルズ飲み会に誘わずにはいられません。

ネットで見つけたマブジョンの写真。これ、ジョンじゃないですよ!マブジョンです。
$黒沢秀樹オフィシャルブログ「tomorrow today」 Powered by アメブロ

そして最近の出会いの中でもインパクトがあったのは、元「詩人の血」辻陸詞さん。三崎の藤沢さんのスタジオで彼のデモテープを聴いて衝撃を受けました。
シンプルで、深くて、どこか荒削り。それが故にピュアさを保っている素晴らしい音源に、「こんな奴が日本にいたのか!」と銀次さんと一緒にかなり盛り上がってしまいました。ロジャーニコルスはまだしも、ミレニウムやサジタリアスのカバーをやってる人なんて、今まで出会ったことはありません。リリースされていないのが残念でなりません。今度是非紹介してください、と藤沢さんに言っていた矢先に久保田洋司さんとの再会があり、そしてちょうど久保田さんの新作のプロデュースをしていた辻くんとも会うことが出来ました。久保田さんの新作「トナカイ」にも彼のエッセンスがちりばめられています。

さらに今月は竹内まりやさんのライブのオープニングアクトとして、BOXを武道館で見るという夢のような贅沢も。ビートルズファンとして、そしてミュージシャンとしても大先輩であるBOXが演奏しているのをあの場所で見ることが出来て、本当にうれしかったです。
実は僕も武道館で演奏したことがあるのですが、初めてあの場に立って思ったのは、やはり「ビートルズがここで演奏したんだ」ということ。
ステージの上から眺める景色は、当然だけれどあの場所に立った人にしか見ることが出来ません。きっと同じことを感じてるんだろうなあ、と勝手に想像しながら「temptation girl」が流れて来た瞬間、僕の目には杉さんや松尾さんが、学生時代の姿にタイムスリップしたかのように見えました。まるで初めてのステージのような、興奮と緊張が入り交じった晴れ舞台。
まりやさんと杉さんの変わらない友情が僕たちにプレゼントしてくれた、最高の時間でした。


その、竹内まりやさんの武道館公演を見に行って思ったこと。山下達郎さん率いるバンドメンバーの演奏は言うまでもなく素晴らしいんだけれど、まりやさんの歌が乗ると、バンドの存在感がふっと消えてなくなってしまう瞬間があるような気がするのです。つまり、演奏力やサウンドの力を超えたものある。
老若男女の誰もが口ずさめる敷居の低さと、その向こう側にある圧倒的な楽曲のクオリティーの高さ。この二つがバランスした時に初めて「POPS」が生まれるのかもしれないなあ、と思わせてくれた素晴らしいライブでした。
その二日後には松尾清憲さんの誕生会に参加して、いろんな意味でのお祝いと打ち上げをすることが出来ました。松尾さんと杉さんからuncle-jamの音源を褒めて頂いて、是非来年一緒にライブやりましょう、というお言葉を頂きました!実現に向けてがんばります。25日はそのBOXのワンマンライブ、盛り上がること間違いなしです。


そして前日の24日には還暦を迎える伊藤銀次さんの誕生日パーティーがあります。気がついたらすごいメンバーが集まってくれることになりました。こんなメンバーが一同に集まってくれるのは、日本のロック/ポップスを表からも裏からも支え続けてきた、銀次さんのキャリアの証明です。
幹事を買って出たのは良いけれど、あまりのメンバーにどうしようかとも思ったりしますが、銀次さんを中心に世代やジャンルを超えてまた新しいミュージシャン同士の交流が起こったり、何かを生み出すきっかけになったりしたら素敵だと思っています。人が生み出す縁が、モノを生み出すきっかけになるという大切なことを実感できるような、楽しい誕生会にしたいです。

Hideki Kurosawa Presents
Ginji Ito 60's Anniversary Live ”Sixty Candles”
日時 12月24日(金)
会場 渋谷gee-ge

開場18:00
開演19:00

料金¥3500(1drink別)

出演:
伊藤銀次/uncle-jam(伊藤銀次+黒沢秀樹)/Cloudy Bay(伊藤銀次+青木ともこ)/杉真理/松尾清憲/井上富雄/長田進/戸田吉則/久保田洋司/村松邦男/サンコンJr.(ウルフルズ)/他、飛び入りゲスト有り!?

予約 渋谷gee-ge
03-6416-3468 (17:00~22:00)
*当日は整理番号順での入場になります。


来てくれるみんなに、素敵な出会いがありますように!呪文を唱えることにします。