なんていうわかりやすい帯の見出しに、ちょっと抵抗があって買うのをためらっていたんですが、この本、非常に良いです(まだ読みかけだけど)。
ペットサウンズというアルバムに対しては、今までいろんな人がいろんな本や文章を書いていますが、この本はこのアルバムを本当にかけがえのないものだと感じている多くの人たちの気持ちをしっかり代弁してくれているような気がします。
サウンドや技術的な観点、ブライアンの悲劇的なストーリーに偏りがちな音楽評論家やライターの人たちの文章とはちょっと違う、書き手(というか、この場合は聴き手である著者)の心情が伝わって来て、思わずまたペット・サウンズをじっくり聴き直したくなってきます。

正直にいうと、村上春樹さんの作品は別として、翻訳するものには今ひとつピンと来たことがなかったのですが、この本は素晴らしいです。きっと村上さんも本当にこのアルバムを愛しているのだと思います。