僕たちは、動物園に行く予定だった。
偶然にも泊まった宿に置いてあった、
ナイトサファリのパンフレットを見ていたら、
僕は、見つけてしまった。面白いものを。
それは、ジャングルバンジージャンプ。
絶叫マシンが好きとかそういうわけでもなく、
というか、どちらかと言うと苦手な方で。
バンジージャンプなんて、やるものではなく、
誰かがやってるのをテレビとかで見て、
楽しむだけのものだと思っていた。
昨日までは…。
「飛びに行こっか!?絶対ネタになるって!」
「周りでバンジーやった友達なんていないやろ?」
冗談半分で、勝史くんに言ってみた。
すると、勝史くんもノリがいいので、
「確かにそうですね!行くなら行きますよ!」
まさかのノリ気。嫌って言って欲しかった。
本当に行くことになるとは思ってなかった。
言い出した自分が一番後悔した。。
しかも、ちょっと体調が悪い。
勝史くんは、前から体調が悪かったけど、
僕も少し、体調が悪くなってきた。
なので、薬を飲みながら試合に挑んだ。
そんな心配を抱えながらも、
男なので、行く時は行くしかない。
前日の夜は、ナイトバザールに行ったけど、
バンジージャンプのことで頭がいっぱいだった。
話しが途切れると、思い出したかのように、
シュミレーションジャンプが始まる。
それで、何回飛んだだろうか。
「絶対、怖いって!」とか言いながら、
ふたりで何回シュミレーションしただろうか。
「50mやで、自殺するのと一緒やん!」
「本気で走っても、6秒なんぼかやで!」
「落ちたら何秒くらいなんやろ?」
「冗談抜きで、チビるかもよ!」
「スローモーションになって、
体感時間めっちゃ長くなるって!」
上に行ったら、絶対に怖いけど、
自分に言い聞かせたら大丈夫だと思って、
「俺は飛べる!いや飛べない!でも飛べるかもしれない」
「バックパッカーだろ?もっと安い宿あるだろ?」
「元サラリーマンだろ?こんなもんじゃないだろ?」
「いっそのこと、バックパック背負って飛ぶか?」
とか、わけのわからないこと言いながら、
少しでも不安を消そうとしていた。
夜も、その話しで引き続き盛り上がった。
「自分で言って怖いって、ドMですか?」と言われ、
同じ宿に泊まっていて、仲良くなったユウさんも、
「虫嫌いなのにジャングル行ったり、追い込み型だね。」
「お笑い芸人は飛んでるかもやけど、
ミュージシャンは飛んでへんやんな?」
「おじいちゃんになっても、一生自慢できるで!」
そんなやり取りをしているのが楽しかった。
そして、本番当日。
少し早く起きて、大好きなカオソーイを食べて、
不安と、ちょっとの勇気を握り締めて、
バイクを借りて、出発した。
僕は物凄い緊張感で余裕がなかった。
大きいライブ当日のような、
サッカーの試合当日のような、
とにかく、いっぱいいっぱいの状況だった。
「もしかして、本当に怖くて飛べなかったら、ごめん!」
と言うと、勝史くんは、面白そうに言い返してくる。
「いいっすよ!もし飛べなかったら、ブログに、
言い出したのに飛べなかったって書きますから!」
「なんやねんそれ!絶対飛ばなアカンやん!」
もう、ここまで来たら、飛ぶしかないと思った。
「こんな真面目な顔、見たことないっすよ!」
勝史くんが笑いながら言ってくる。
「いや、怖いやろ?」と確認すると、
「怖いっすけど!」と言いながら笑ってる。
お昼頃に、バンジーの場所に辿り着いて、
心の準備のために、少し休憩することにした。
でも、時間はどんどんすぎてしまい、
一時間くらい休憩してしまった。
僕とは正反対に、余裕を見せていた勝史くんも、
さすがに、少し不安を感じてる様子だった。
そして、ほぼ2人同時に、
覚悟を決めて、立ち上がった。
「そろそろ行こうか?」「はい。」
せっかくの記念なので、写真と映像と、
飛べたらTシャツがもらえる、フルセットにした。
2500バーツ(約6250円)
安くはないけど、これだけ身体を張るんやから、
残せるものは、全部残しておきたかった。
一応年上やし、言い出しっぺやし、
自分から飛ぶことにした。
「何かあったら頼むで。」
そう言って、僕は受付に向かった。
メガネなど、身に付けているものを外し、
体重を量って、ロープを付けたり準備する。
準備ができると、ゴンドラのようなものに乗り、
心の準備をする間もなく、動き始める。
一緒に乗ったスタッフが、ビデオを撮りながら、
話しかけて、リラックスさせてくれる。
ほとんどタイ語での会話だった。
あっという間に、てっぺんまで来てしまい、
準備オッケーの、サイレンみたいな音が鳴った。
その瞬間、もう後戻りはできない。そう思った。
「つま先を少し前に出して。」
「下は見ちゃダメだ。3,2,1とカウントするから、
両手を広げて、バンジーと言って飛び下りるんだ。」
「すぐに飛んだ方がいい!準備はいいか?」
「ごめん、ちょっとだけ待って。」
僕は、深呼吸して、自分を落ち着かせた。
360度広がる山景色は、本当に綺麗だったけど、
ちょっと下を覗くと、かなり高いのがわかる。
大変なことをしていることに気が付いた。
生きて帰れるんだろうか?
もしかしたら、そのまま死んじゃうかもしれない。
それでも、やるしかない。強くなるため。
僕は覚悟を決めて立ち上がり、
ジャンプ台の上に立った。
そこでも準備はいいかと言われ、
ちょっと待ってと繰り返す。
少し自分を落ち着かせて、
マイペンライ(大丈夫)と言った。
「3,2,1」と言われた後に、
「バンジー」って言ったか覚えてない。
次の瞬間、一気に急降下して、
真下の川と森が、一気に近づいた。
そして、上がったり下がったりして、
クルクル廻ったので、わけがわからなくなった。
方向感覚がなくなった感じだった。
「そんな風になるんですか!」
とか言いながら、勝史くんは笑ってる。
動きがゆっくりになり、みんなの声が聞こえて、
竿のようなものが差し出された。
それを掴んで、地上に救出されたのだ。
意識を失ったかのように倒れ込んだ。
立ち上がると、足がしびれていた。
ジェットコースターのような、
フワっとした嫌な感じは感じなかった。
たぶん、それよりも恐怖が強かったから。
怖いけどやったら大丈夫と言って、
勝史くんにバトンを渡した。
勝史くんは、ニコニコしながら準備をして、
ゴンドラに乗って、上に上がった。
僕は、下からビデオを撮っていた。
僕とは違って、すぐにジャンプ台に立った。
すぐに飛ぶのかと思って、その時を待った。
飛ぶと思った瞬間、ウォーと言いながら、
手すりを掴んで、元の位置に戻る。
こっちも怖いな~と思いながら、次の瞬間、
超こえーと言って手すりに掴まる。
それはもう、運動会のサボテンのような、
そんなポーズを決めている。
僕は、笑いながらビデオを撮り続けた。
そして、3回目。何かを叫んで、また、
得意のサボテンポーズが綺麗に決まった。
何回やるんやと思ったけど、
最高に面白かったから追加点。
この時点で、まだ飛んでないけど、
面白さでは負けたと思った。
下から見ていると、50m離れているので、
飛んでるのか、サボテンを決めているのか、
どっちかわからない。
余裕だった勝史くんも、
さすがに怖いのが伝わってきた。
そして、4回目。自分では飛べなかったので、
スタッフさんに押してもらって落ちてきた。
スタッフさんが撮った映像を見せてもらったんですが、
その時のやりとりが面白くて本当に笑えました。
勝史くんは押して欲しいと言いたかったらしいけど、
「タッチ、オッケー?」と言って、さわってもいい?
みたいないやらしいことを、真顔で言ってるんです。
かなりテンパってたらしいです。笑
ここらで、文章だけでは伝わりにくいので、
写真を使って、みんなで復習していきましょう。
出発前に食べた、大好きなカオソーイ!
カレーうどんの上に固麺と、おっきいチキン!
「これで、鳥になれるんちゃう?」と言うと、
「チキンで、飛べないですよ!」
と勝史くんに返された。
飛ぶ前、最高の緊張状態です。
トイレの絵が面白かった。
シャワールームがあったから、
チビっちゃう人もいるんだろうと思った。
体重を量って、手に書かれます。
55キロで、松井さんの背番号みたい。
足を縛られます。無抵抗状態。
準備ができたら、ジャンプしながらゴンドラに。
一瞬だけ、飛ぶのを忘れて、楽しかった。
この時、手汗ハンパないです。。
上がり始めてしまいました。もう戻れません。
どこまで上がってしまうんでしょうか?
こんなとこまで来ちゃいました。
井上選手、スタート地点に立ちました。
井上選手の1本目(2本目ないけど)
追い風なのか、向かい風なのか!?
どれくらいまで、飛距離を伸ばせるか!?
K点を超えてきそうだ!
そして、まさかの再上昇!
ダンシング、ダンシングからの…
続けて、逆L字ファイアー★これも綺麗に決まった!
初めての、空中放心状態。
この後、どうしたらいいのかわかりません。
下から見たら、こんな感じです。
命の如意棒を掴んで、ここでギブアップ。
助かったけど、痛い痛い痛い痛い!
そして僕は、救出された。
演技を終えて、安堵感いっぱいの表情。
もう、起き上がる力も残ってなかった。
感謝の気持ちは忘れずに、コップンカァ(ありがとう)
優勝して、賞状をもらいましたが、
まだ、顔が引きつっています。
勝史くんも、無事に演技を終了し、記念撮影!
記念Tシャツが、誰かに狙われてる★
そして最後に、専属カメラマン勝史くんが撮った、
僕の絶望的な写真。(救出された直後です)
コアラのテクテク旅行記(仮)
http://katsushi18.blog.fc2.com/
こちらでもバンジーの記事が書かれています!































