ドーハの空港に着いて、メールを確認すると、
親父から、メールが届いていた。
バンコクは洪水で大変だとのことだった。
洪水なんて経験したことがないから、
正直、あまり危機感がなかった。
バンコクに戻ると、お店に水が売ってない。
少しずつ、供給が間に合わなくなってきている。
テレビは、緊急特番ばかりやっていた。
記録的な大雨で、洪水になってしまったと言う。
バンコクの中心部は、まだ冠水していないけど、
何かがやってくるような気がして、少し不安になった。
上水と下水が混ざってしまっているとか、
電気や水が止まるかもしれないとか、
日本人の間では、本当か分からない、
色んな情報が飛び交っている。
でも、タイ人に大丈夫か聞いてみると、
誰もが、必ず「マイペンライ(大丈夫)」と言う。
タイ人は、どんなときでも、いつもマイペンライ。
その優しさと余裕に、いつも安心してしまう。
実際、バンコクの中心部は冠水していなかったから、
それほど不安を感じることなく、普通に生活していた。
そんなある日、友達が実家に帰るからと言って、
誘われて最後にナイトマーケットに行った。
その名の通り、夜のマーケットなんやけど、
夜っていうか、深夜から朝まで続く。
その日は、はしごしてふたつのマーケットに行った。
僕も、ギターの小物とかを買って楽しんだ。
そして、帰る頃には、もう朝になりかけていて、
今日は、泊まっていきなよと言われた。
女の子ふたりが住んでる部屋やから、
気遣うと思うし、そんなつもりなかったけど、
バスもないし、今からタクシーで帰るのも、
ちょっと大変やから、甘えようと思った。
そして、泊まらせてもらって、朝になった。
テレビをつけると、やっぱり緊急ニュースばかり。
デンが買い物に行って朝というか、
お昼ごはんを作ってくれて、3人で食べた。
買い物に行く前に、何が食べたいか聞かれて、
僕は、カイキアオ(オムレツのようなもの)と言った。
売ってなかったと言って、台所に行って帰ってこない。
大丈夫かぁ?と聞いて、台所を見に行ってみると、
デンが卵を買ってきて、カイキアオを作ってくれていた。
本当に嬉しかった。そして、美味しかった。
食べ終わってから、2人は急に部屋を片付け始めた。
今やらんでもいいやんと思いながら僕も手伝った。
すぐに終わると思ったら、なかなか終わらない。
と言うか、明らかに普通の片付けじゃない。
タンスの中から、服を全部出したりしている。
一瞬、引っ越しか?と思ったけど、そうではない。
しかも、マイペンライ、マイペンライと言って、
優しさと余裕を見せてる、いつもの感じじゃない。
その時、僕は気付いた。洪水が来たときのためかと。
でも、全然洪水なんて来てないから、
何も、そこまでせんでいいやんと思っていた。
そう思いながらも手伝って、タンスふたつと、
ダブルベッドを解体して家の外に出して、
洪水が来ても大丈夫な高さに積み上げた。
そろそろ、部屋の中のものも全部なくなった頃、
近所の子供何人かが部屋に入ってきた。
洪水が来たのを、教えに来てくれた。
時間は夜の18時過ぎ。外は暗くなっていた。
とりあえず、夜行バスに乗るデンを見送るために、
バス停に向かおうと言って、部屋を出た。
メイン通りから、少し中に入ったところなので、
タクシーはない。バイタク(バイクタクシー)だけ。
パソコンやステレオ、そして少しの服など、
実家に持っていけるものは、ダンボールに詰めた。
その箱が大きくて、20キロと30キロくらいのものだった。
バイタクのお兄ちゃんを3人呼んで、
デンとヌンが2人乗り、でかい箱は箱だけ、
自分は、小さい箱を担ぎながら乗ることになった。
そして、2、3分でメイン通りに出ると、
そこで僕が見たのは、信じられない光景だった。
道路が川のようになっていた。
日本の津波の映像と少し重なった。
歩いている人、バイクに乗ってる人、
車に乗ってる人、そして、自分が一番、
パニック状態だったかもしれない。
僕は、濡れながら大きな箱を担いで、
必死にバイクに掴まっていた。
写真やビデオを撮りたかったけど、
大きな箱を担いでいたので出せなかった。
いや、その前に、そんな余裕はなかったのと、
不安そうな、デンとヌンの顔を見て、
そんなことしてる場合じゃないのと、
少しでも安心するように何とかしなきゃ、
そう思って、頭の中がごちゃごちゃになった。
そして、何分か走って高い所に逃げると、
そこは、まだ水が来ていなかった。
初めて、これはヤバイなと思って、
ただ事じゃないなってことに気が付いた。
もう、友達の家は帰れない。
完全に洪水が押し寄せているだろう。
デンは、夜行バスで実家に帰り、
ヌンは、友達の家に行くと言って別れた。
それから、2、3日して、
共通の友達から、間接的に聞いたけど、
ヌンはホテル暮らしをしていると言う。
そして、
ヌンとその彼氏も、デンと同じ所にある、
実家に帰るから、一緒に逃げようと誘ってくれた。
慌てて荷物をまとめて、出発しようとした。
間に合わなかった。もう遅かった。
車で行けなくなってしまったから、
バンコクに残ると言う。
結局、僕もバンコクに残り、
少し不安な日々を送っています。
タイは国全体が何日間か休日になり、
完全に洪水と闘っている状態です。
中心部は冠水していませんが、
近い所で東西に水を散らしています。
僕も、あまり外に出れないので、こうやって、
ブログを書きながら、落ち着くのを祈っています。
ここからは、バンコクに帰ってきて、
食べたものを中心に、紹介していきます。
このちっちゃい、おひつの中に、
僕の大好きな、もち米が入っています。
そして、イサーンのタイスキ。お鍋です。
開けてみると、中はこんな感じです。
凄く身体が温まって、美味しかったです。
日本人のおっちゃんと、一緒に行きました。
このおっちゃんは、インド一周すると言って、
ミニバックやリュックなど、色々なものをくれました。
このよく分からない、お魚ちゃんが、
かなり美味しくて、本当に感動しました。
その横にある、あさりの料理も美味しかった。
そして、この麺の上に乗ってるのは、
これは、ナイトマーケットで食べた軽食。
トムヤンクンとソムタンと、お肉と野菜の炒め物。
最高に美味しかった。嬉しかった。
洪水の中、バイクで逃げて、バス停に着いた時。
少しでも、2人の不安をなくそうと必死だった。
デン(右)と、ヌン(左)、Tシャツを見て下さい。
僕がお土産であげた、ノルウェーTシャツです。
ペアで、普通に着てくれてます。嬉しい。
これが、あまりにも美味しくて、食べさしを撮った、
いつもの屋台で作ってくれた、カイカティアン。
しょうゆ味の焼き鳥みたいなのが、
ごはんの上に乗ってます。最近毎日これ。
半熟卵と、お肉とネギと、もやしが入った、おかゆ。











