灼熱の太陽と、10キロのバックパックの装備で、

昨日のこともあり寝てなくて、かなり疲れてしまっていた。


途中、ナオトさんの本にも出てきた分かれ道もあり、

そんなに不安を感じることなく歩き続けることができた。


ハロウン村らしきものは、結構近くに見えるけど、

歩いても歩いても、その距離は変わらない。


段々ボーっとしてくる…これがアフリカか。


集落の手前に、小さな建物が建っているのが見えた。

外に子供がひとりいて、中からも子供の声がした。


大きさからして、僕はトイレか家だと思った。

もしかして、シャワーでもあるのかなと少し期待した。


とりあえず中に入って、話を聞いてみようと思った。


なんと、そこは、トイレじゃなかった。学校だった。

同い年くらいの先生がいて、10人以上の子供がいる。


トイレと間違えるくらいの大きさの部屋に。。

みんな、僕のことを見て不思議そうな顔をしている。


フランス語とアラビア語しか離せない先生に、

先に見えるのがハロウン村か聞いたらそうだった。


ずっと歩いてきたと言うと、ビックリして中に入れてくれた。


そして、飲み物やごはんを買えるお店はあるか聞いた。

近くにあると言って、一緒に連れて行ってくれた。


子供だけを学校と言うか教室に残して、連れて行ってくれた。

すれ違う村の人、みんなが珍しそうに挨拶してくる。


こっちだよと言って、連れてきてくれたのは、普通の家だった。

そう、その先生の家。中には、家族みんながいた。


そこで、座ってゆっくりしてみたいなことを言われ、

しばらく座っていると、ごはんや飲み物などを出してくれた。


英語が通じないから、僕が食べ物を買いたいと言ったのが、

伝わっていなかった。いや、伝わっていたのかもしれない。


誰が見ても、精神的にも肉体的にも疲れ果てていた僕を見て、

自分の家に連れて来てくれたんだと、その時気付いた。


その先生の名前はブシャラ。同い年くらいの女の子。

その妹がルビナ。歌が好きみたいで、たまに口ずさむ。


お父さん、お母さんがいて、お姉ちゃんか親戚。

どこから来たかも分からない僕を、みんなで迎えてくれた。


お姉ちゃんか親戚か分からないけど、少し英語が話せた。


ジェスチャーと雰囲気で、これまでのことを説明した。

自分のフライヤーを渡すと、音楽をやっていることも伝わった。


パンのようなもの、ミルク、ココア、果物。たくさん出してくれた。

ハエが気になったけど、失礼だから気にしないようなフリをした。


でもブシャラは、こんなにハエがいてビックリしてると思って、

僕がごはんを食べているときに横でハエを払ってくれる。


お金お金って、さんざん言ってくるし、騙してくるモロッコで、

もう人のことを信じられないような感じだったけど、


こんなにもよくしてくれて、僕は胸が痛むほど優しさを感じた。


果物を持って行きなと、いっぱいの果物が入った袋を、

僕のバックパックに結んで付けてくれた。


本当にありがとうと伝えると、片言の英語で、

全然問題ないよ。いつでも来ていいからねと言ってくれた。


僕は何もあげるものがなかったけど歌がある。


僕がハロウン村に来るきっかけを作ってくれた、

ナオト・インティライミさんの、キミライフをアカペラで歌った。


ギターもない。歌だけ。しかも日本語で。でも伝わった。

そんな気がした。そういう時は、分かるから。


帰る準備をしながら、涙がこぼれそうになった。


タクシーのある所を教えてくれて、

途中まで一緒に歩いて連れて行ってくれた。


もしも、またいつかモロッコに来ることができたら、

ハロウン村に来るから、また会いたいと伝えた。


待ってるから、いつでも来てと、笑顔で言ってくれた。

本当にいい人と出会った。またいつか会いたい。